子育て支援を考える② 小学生の教育費負担の軽減策を考える

今回は小学校の教育費について詳しく見てみようと思います。データはいずれも「平成28年度子供の学習費調査」(文部科学省)のものです。全国的な統計であり、北本市における教育費ではありませんのでご注意ください。

小学生の教育費の約3分の2は学校外活動費

公立小学校における教育費は年平均322,310円。その内訳は、①学校教育費が60,043円(18.6%)、②学校給食費が44,441円(13.8%)、③学校外活動費が217,826円(67.6%)となっています

①学校教育費の内容を見ると、授業で使う文房具、体育用品、楽器、材料などの費用が最も多く、次いで通学関係費(交通費、ランドセル等)が多くなっています。

③学校外活動費の内容を見ると、補助学習費が38.1%。表では省きましたが、補助学習費83,013円のうち56,864円が学習塾費となっています。小学生のうちから学習塾に通っている子が多いということです。その他学校外活動費には学習塾以外の習い事(ピアノ、スイミング、英会話等)や学童保育料などが含まれます。

世帯収入で支出額が大きく異なる学校外活動費

上のグラフのとおり、学校外活動費は家庭の経済状況によって大きく異なります。経済的に豊かな家庭ほど、より高い学力を得たり、運動・文化的な能力を高めたりすることができるわけで、このことが就職でも有利に働き、大人になってからの所得格差となる可能性が考えられます。

とはいえ、学習塾や習い事に掛かる費用を行政が負担することはできません。公的支出を増やし、保護者の負担を減らすとすれば、まずは②学校給食費、次いで①学校教育費がふさわしいでしょう。

特に学校給食は、その学校に通う誰もが必要とし、同じものを食べます。つまり普遍的なニーズです。給食費を集めたり、未納者に督促したりといった先生の手間を軽減することもできます。教育費の負担を軽減するに当たり、給食費の無償化は理にかなった取組だと思います。子育て支援に重点を置く自治体では、今後給食の無償化が進んでいくのではないかと思います。

同じ理由から、①学校教育費のうちの修学旅行・遠足・見学費も公的負担が望ましいと考えます。

学校外活動の格差をどうやって小さくするか

②学校給食費や①学校教育費の負担を軽減することで、経済的に厳しい家庭でも③学校外活動費の支出を増やすことができ、③学校外活動費の支出格差を小さくできる可能性があると思いますが、教育費以外の支出に回されてしまう可能性もあるでしょう。

では、家庭の経済状況による学校外活動の格差を小さくするために、行政としてどんな取組を実施したら良いでしょうか?

ちょっと長くなりましたので、これについてはまた次回お話ししたいと思います。