新ごみ処理施設について報告① 事業費総額

7月18日に鴻巣行田北本環境資源組合の定例会がありました。一般質問の質疑や事務局からの説明でわかったことについて3回に分けてお知らせします。今回は事業の概要と総事業費について説明します。

スケジュール

平成32年度に用地取得が行われ、平成33年1月から平成36年12月に施設設計・建設工事が実施されます。稼働は平成36年12月の予定です。

第7回ごみ処理施設運営協議会資料(H31.3.19)

建設候補地

平成25年5月7日に行田市、鴻巣市、北本市が合意した「ごみ処理広域化の推進に関する基本合意書」にでは、「ごみ処理の建設地は、鴻巣市内とする。」と明記されています。

この基本合意に基づき、平成26年度から平成27年度にかけて管理者の諮問により新施設建設等検討委員会が検討し、鴻巣市郷地・安養寺地区を候補地として答申しました。

平成28年2月に策定された一般廃棄物処理基本計画には建設候補地が明記されていませんが、広域処理に向けた基礎調査(広域化方針)報告書には明記されています。平成29年2月に策定された施設整備基本計画にも建設候補地は明記されており、すでに決定事項として手続きが進められています。

出典:施設整備基本計画

概算事業費

現在のところ、整備費は約248億円。運営・維持管理費は20年間で約170億円とされています。これはプラントメーカーへのアンケート調査により算出されたものです。地盤改良などの造成費、余熱利用施設の建設費、水路や道路の整備に係る費用は含まれていません。

出典:施設整備基本計画

報告1 事業費の総額はいくらになるのか

施設整備基本計画等において概算事業費のうち整備費は約248億円とされています。この金額には、地盤改良費や余熱利用施設の整備費が含まれていません。余熱利用施設については現在新施設建設等検討委員会で議論しており、整備費については約7~11億円程度が見込まれているところです。一方、地盤改良や水路・道路の整備費については、全く示されていません。特に地盤改良については、当該候補地が後背湿地であり、地盤が緩いであろうことは容易に想像でき、支持地盤が地中深くにある場合には相当な費用が掛かるのではないかと素人ながら考えているところです。

そこで、7月18日に開催された組合の定例会の一般質問において、過去の地質調査の結果から支持地盤の位置を把握しているか、地盤改良に要する費用はどのくらいかを事務局長に尋ねました。しかし事務局長は、どこを支持地盤とするか(どこまで地盤改良するか)は事業者が決定することで、現時点ではわからないとの従来の答弁を繰り返しました。

最終的な決定は事業者であることは承知の上です。しかし、事務局としても事前に専門家に聴いたり、他の自治体の事例を調査したりするなどして自らの見解を持っておかなければ、事業者が過大な工事・請求を行ったとしても、気づくことができません。構成市の財政状況も程度の差はあれ厳しいはずで、将来的な負担を知っておかなければ財政計画を立てることもできません。概算でも事務局としての見解を持っておくのが当然ではないかと重ねて質問しましたが、事務局としては概算もしていないとの答弁でした。

私の行政経験からも、まったく試算していないはずはありません。試算の結果、これまで示している整備費約248億円を大幅に上回る結果となってしまい公表することができないのかもしれません。今年11月の議会には債務負担行為の議案を提出し、そこで総額が判明するとのことですが、それでは行田市が提案する行田市小針に建設した場合との建設費の比較もできません。早急に総事業費を算出するよう、引き続き求めていきます。

報告2 建設候補地を巡る鴻巣市と行田市の攻防
報告3 建設候補地選定の正当性