建設候補地選定の正当性
建設候補地については、平成27年1月20日の第4回新施設建設等検討委員会で鴻巣市内53か所について面積の確保や経済性などにより評価した「評価結果」が示され、現在の候補地である22番の地点が65点で最高点として選定されました。
この地点の「建設コスト」に関する評価は3点で、標準例(※)と同程度という評価です。標準例の中には「指示層はGL-20~30m(地表から深さ20~30m)前後に分布」という項目があります。平成28年度に地質調査を行い、支持地盤となりうる砂礫層が存在することが判明しているものの、これが本当に支持地盤となるかどうかは事業者が決めることというのが組合のスタンスです。もしこの砂礫層が支持地盤としては使えず、さらに深くまで地盤改良が必要ということになれば、この項目について◯3点とした評価に疑義が生じます。
また、平成27年2月17日の検討委員会に示された「建設候補地カルテ」には「東京電力埼玉変電所からの距離は3km以内であり、新たな工事負担金の発生は予想されないと考えられる。」と記載されていました。これが次点だった21番の地点(22番よりも埼玉変電所から遠く建設コストの評価は△1点)との差とされていましたが、7月18日の全員協議会の場で、工事負担金が8億円掛かることが説明されました。建設コストを◯3点とした根拠はぐらぐらに揺らいでいます。
仮にこの項目が1点だった場合には、21番の地点と同点だったいうことになります。第4回検討委員会は非公開で行われ、資料は回収されましたが、後日ホームページに掲載された資料は、次点の21番の地点を除く全52地点の地図と評価結果が記されたものでした。事務局が当初の説明資料を改ざんし、ホームページに公開したのです。このことを鴻巣市の阿部議員が指摘し、現在は当初の資料と改ざんした資料の両方がホームページに掲載されています。
改ざん理由について事務局からは「混乱を防ぐため」との説明しかなかったため、平成30年第1回臨時会において金子眞理子議員など一部議員が100条委員会による調査を提案したものの、賛成少数により否決されてしまったため、改ざんに至った経緯の解明は困難になってしまいました。
(※)標準例とは
多数の建設候補地がある荒川、元荒川、野通川沿いの沖積低地に施設を立地させることを想定したもので、
- 2車線道路に接道
- 地下水位が高いため、ごみピット設置に際し何らかの止水壁を打設、もしくはごみピット掘削深度を浅くするためスロープをつけてプラットホームを上階に設置
- 支持層はGL-20~30m前後に分布
- 特別高圧線による受送電を想定し、東京電力埼玉変電所から概ね3km以内(事業者側の工事負担金が発生しないと予想される範囲)
標準例よりも条件が悪い場合には、アクセス道路の整備(新設もしくは既存道路の拡幅)、基礎形式の変更もしくは地盤改良、特別高圧送電線設置に際しての工事負担金提供が考えられる。