総務文教委員会行政視察③ 白山市学校の統廃合と少人数学級

3日目 学校の統廃合と少人数学級の取組(石川県白山市)

3日目(令和元年10月9日)は白山市で学校の統廃合と少人数学級の取組についてお話を伺いました。

白山市は、金沢市の西隣にある人口約11万3千人の市です。平成17年に松任市など1市2町5村が合併してできました。金沢市に近く、沿岸部(旧松任市)では人口が増加傾向にあるものの、市南部は白山公立公園を有しその標高差は約2,700mあり、山間部では人口減少と高齢化が進んでいます。

白山市誕生から現在まで、小中学校の統合は2回実施されています。1回目の統合の資料はほとんど残っていないとのことで、平成25年の2回目の統合(河内地区の河内中と鳥越地区の鳥越中を、鳥越中に統合)を中心に説明していただきました。統合前の生徒数は、河内中が約40人、鳥越中が約80人。平成25年5月の生徒数は119人でしたがその後も減少を続け、今年5月時点では74人です。

統合に先立ち、平成23年12月から統合学校関係者連絡会を開催。メンバーは関係校長や教育委員会。登下校のスクールバス(コミュニティバス)、制服、部活動の存廃、教育課程、事務関係(帳簿類)などについて話し合いました。連絡会の内容は、関係校長のほか、地区代表、PTA会長などが参加する統合準備委員会に報告され、ここでの質疑について、連絡会で再度協議しました。さらに全保護者向けに統合準備保護者説明会を2回開催しました。また、これとは別に、地元では地元住民だけで話し合う場を作り、連絡会が立ち上がる前から議論をしていたそうです。

河内地区については、河内中だけでなく河内小についても鳥越小に統合する案があったそうです。保護者は統合でもよいから早くはっきりさせてほしいという意見が多かった一方で、地元住民(特に年配の方)からは何としても残してほしいという意見が多かったとのこと。老朽化していた小学校を建て直して、残したそうです(先に統合した白嶺小中学校も校舎は新築)。さらに、地元からの要望を受け河内地区から鳥越中への通学路となる道路の整備や街頭の設置を実施しました。

左:河内小学校、右:白嶺小中学校

◆ 感想

河内地区や鳥越地区はかつては一つの村でした。村から小学校や中学校がなくなってしまうというのは、地元の方にとって大きな問題なのだと思います。とはいえ、学校全体で児童・生徒数が十数人となれば、統廃合せざるを得ないことも理解しているはずです。せめて不便を強いられる子どもたちには新しい校舎で勉強させてあげたいという要望が形となり、新校舎が建設されています。一方で、旧松任市地区では人口増加により教室不足という状況が生じており、特別教室を転用するなどして対処しているとのこと。都市部の住民はこの状況をどう感じているでしょうか。

北本市でも児童数が減少している学校があり、統廃合を検討せざるを得ない状況です。公共施設の維持管理コストを削減するため、公共施設マネジメントも実施中です。対象となる学校に通っている又はこれから通うお子さんとその保護者の方の意見を大切にしながらも、ソフト面での教育施策の充実を図ることで、トータルの財政コストを下げながら、教育の質の向上を図っていくべきと思います。

黒澤委員は背中を痛めているためこのような体勢になっています。