◆一般質問 各種健(検)診について

令和元年第3回定例会における一般質問 9月17日(火)

件名2 各種健(検)診について

要旨1 胃がん内視鏡検査の実施について
要旨2 国民健康保険加入者の健診結果の活用について

要旨1 胃がん内視鏡検査の実施について

質問

北本市では、受診日現在40歳以上の方でほかに受診機会のない方を対象に、胃がんの集団検診(エックス線検査)を実施している。厚生労働省の指針では、胃がん検診の方法に内視鏡検査が追加された。埼玉県の統計によれば、内視鏡検査で胃がんが発見された人のうち約7割が早期がん。エックス線では早期がんの割合が5割未満。また、エックス線検査では、粘り気の強いバリウムは飲みづらく誤嚥の恐れがあり、検診台に掴まっているには手の力が必要で落下の恐れがある。高齢者には危険。エックス線検査よりも内視鏡検査のほうが適している人もおり、内視鏡検査も受けられるようにするべきと考えるがいかがか。

答弁(赤沼健康推進部長)

平成28年4月1日からがん検診実施のための指針の一部改正に伴い、胃がん検診の検査項目に胃内視鏡検査が追加され、問診に加え、胃部エックス線検査または胃内視鏡検査のいずれかとなった。胃内視鏡検査は、公式に認められた検診の一つ。直近のがん検診結果統一集計結果報告書では、埼玉県内で胃内視鏡検査を導入している市町村は、平成28年度は22市町村、平成29年度は26市町村と増加している。いずれも胃部エックス線検査と併用で実施している。市民がいずれかの検査方法を選べるよう導入を検討していく必要がある。

胃内視鏡検査はすぐれた胃がん死亡率の減少効果が認められる一方、前処置の麻酔によるショック症状や胃カメラ挿入により内臓を傷つけるなど、重い偶発症、つまり検査に伴って人為的な障害を起こす頻度がバリウム検査より高いことが知られている。また、検査機器等の配置や検査に要する時間を考慮すると、医療機関で行う個別検診としての実施が見込まれるなどいくつかの課題がある。安全に検診を実施できる体制の整備拡充、また通常の診療に支障のない枠組みの整理など、胃内視鏡検診の導入に関して地元医師会と協議を行う。

要望

胃がんの検診の内視鏡検査の実施に向けて、大変難しい課題があると思うが、医師会とも協力をして実現をしていただきたい。

要旨2 国民健康保険加入者の健診結果の活用について

質問

国民健康保険加入者の健診データやレセプトデータを国保連合会において一元的に管理する国保データベース(KDB)が整備され、市町村などの保険者もこのデータが活用できるようになった。本市でも、KDBを活用して平成30年3月にデータヘルス計画を策定し、1.特定健康診査から7.ジェネリック医薬品切りかえ通知まで、7つの実施事業を選定している。平成30年度におけるこれらの7つの事業の実施状況について説明を求める。また、本市では、胃がんリスク健診を実施しているが、胃がんリスク健診の受診履歴や結果は、KDBその他のデータベースに記録されているのか。

答弁(赤沼健康推進部長)

平成30年3月に策定したデータヘルス計画では、国保データベースKDBなどによるデータ分析から抽出した健康課題への対策として7つの保険事業を選定した。平成30年度の事業実施状況につきまして、優先順位の高い順に申し上げる。

特定健康診査受診勧奨事業については、健診未受診者を年齢や受診歴でグループ化し、それぞれ通知内容をかえて受診勧奨はがきを送付した。特定保健指導受診勧奨事業については、広報誌及びホームページでの周知を行うとともに、受診者との面談会場をこれまでの2カ所から3カ所に増やし、受診者の利便性向上を図った。重症化予防指導、健診異常値未受診者への受診勧奨及び治療中断者への受診勧奨については、県と国民健康保険団体連合会との共同事業である糖尿病性腎症重症化予防治療に引き続き参加した。健診異常値未受診者への受診勧奨では、新規事業として高血圧症未受診者への受診勧奨を実施した。これは、特定健診の結果が高血圧症疾患の治療を必要とする数値であるにもかかわらず、医療機関を受診していない方に受診勧奨通知を送付したもの。多受診者指導については、過度な服薬等の可能性がある方に適正受診を促す指導を実施するための調査研究を行った。ジェネリック薬品切りかえ通知は、ジェネリック薬品に切りかえた場合の医療費削減額を記載した通知を9月と3月に対象者宛て送付した。

また、胃がんリスク健診の受診履歴と結果については、国保データベースではなく、健康づくり課に導入されているシステムに記録管理している。

再質問

Q.内視鏡検査の導入に向けて、検診体制の整備、拡充について、具体的にどのような課題があるのか。

A.(赤沼健康推進部長)内視鏡検査は医療機関での個別検診となるが、検診に時間を要するため、通常診療に支障がないよう受入人数が限られる。1医療機関当たり1日の受入可能人数が数人程度と見込まれるため検査実施期間を長く設定する必要があるが、既に市内医療機関には通年で実施する小児の予防接種のほか、6月から9月は特定健康診査を初めとする各種健診、10月から1月には高齢者インフルエンザ予防接種、さらに個別の大腸がん検診等を委託しており、医療機関に過大な負担がかかることが懸念される。また、指針に基づく制度管理を行う必要があり、撮影された胃内視鏡画像の判定に当たり、運営委員会もしくはそれに相当する組織が設置する読影委員会によりダブルチェックを行うこととされている。この態勢をどのように整備していくかという点も課題と考えている。

要望

KDBには大変貴重で膨大な情報が蓄積されている。検診結果とレセプトデータを多角的に分析することで色々な相関が見えてくる。あらゆる角度から分析にチャレンジして、病気の未然防止、早期発見・早期治療、医療費の削減につなげていただきたい。