質問の趣旨
新型コロナウイルスとそれに伴う非常事態措置により営業自粛が求められるなど、市民生活や経済活動に多大な影響が生じています。これにより市財政においても、税収などの収入減や、感染予防対策や生活支援などの歳出増が見込まれます。
市が常々厳しいと喧伝している北本市の財政状況への影響について質問しました。
歳入について
税収について、課税額については前年度よりもややプラス。5/31時点の納税率は前年度をやや下回るが、今年度は5/31が日曜日だったことも影響しており、実質的には前年度並み。しかし、徴収猶予の相談が6/12現在で78件、申請が22件となっている。今後の見通しは不透明である。
ふるさと納税について、5月末時点で15,284千円で、前年度比14,551千円の減。ほぼ半減。前年度は制度改正前の駆け込み寄附があったことも影響している。本市へは高額の寄附が多いこともあり、現時点では、今後の予測は難しい。
前年度繰越金(決算剰余金)については、ふるさと納税の増加等の影響により例年を上回る見込み。
歳出の抑制について
歳入の減少と新型コロナウイルス対策の歳出の増大が見込まれたため、4月14日付けで行政経営部長から各部課長あてに、事業の中止・縮小等の見直しを依頼した。オリンピック・パラリンピック延期、学校プール授業中止等の予算を減額した。
Q.税収の見通しが立たない。今後、第2波、第3波も警戒する必要がある。今回新型コロナ対策で約5.4億円を計上し、そのうち約4億円が一般財源。約1.9兆円は地方創生臨時交付金、約5千万円は事業中止や三役給与・議員報酬削減などで賄えても、約1.6億円は財政調整基金の取崩しが増える。更なる歳出削減(事業の先送り、執行の留保など)が必要ではないか。
A.引き続き国・県の補助金を活用するとともに、事務事業の見直し等により必要な財源を確保し、適正な財政運営に努める。
※桜井が記者発表資料や予算説明書から拾って作成したもので、細かい事業で計上漏れがあるかもしれません。ご容赦ください。
(2020.6.23修正 新型コロナウイルス感染症緊急対策パッケージ【修正版】 執行部に確認の上、修正したものです。)
基金について
財政調整基金の残高は第4号補正後で2億6,556万円となる。当初予算では過去5年間平均で7億5千万円を繰り入れており、12~13億円の残高を残しておくことが好ましい。
Q.万が一、財政調整基金が不足する場合、条例上、新型コロナ対策を含めた災害対策に活用できる基金はあるか。
A.南部地域整備基金と公共施設整備基金が使える。また、ふるさと応援基金は幅広い事業に充当できる。いずれも設置目的が定められた基金であり、適正な財政運営を行い、財政上必要があれば活用できるもの。
まとめ
新型コロナウイルス対策により5億円超の歳出増となったが、国の二次補正によって地方創生臨時交付金の追加交付があれば、財源の目途は立ちそう。令和元年度決算では例年以上の剰余金が生じる見込みであり、財政調整基金残高も維持ができる。
しかし、今後の税収への影響は確実で、どの程度の減収になるか見込むのは難しい。新型コロナウイルスの感染再拡大があれば歳出も増える。引き続き歳出抑制を図っていく必要がある。