埼玉中部環境保全組合の令和4年第2回定例会における私の一般質問の概要についてお伝えします。
件名 新焼却施設の整備に向けて
(1) 構成市町全てがゼロカーボンシティを宣言したが今後どのように連携して取り組んでいくのか。
(2) 廃棄物処理において二酸化炭素排出量を削減するための具体的な方策は。
(3) 新焼却施設の整備に向けた手順について
(4) 新焼却施設の建設予定地について
(5) 2市1町の基本合意書で建設予定地としている鴻巣市郷地安養寺地区の住民との話し合いについて
※答弁はすべて建設推進課長。
(1) 構成市町全てがゼロカーボンシティを宣言したが今後どのように連携して取り組んでいくのか。
Q.鴻巣市が昨年10月1日、吉見町が昨年12月1日、北本市が今年1月15日にゼロカーボンシティを宣言した。廃棄物処理に当たっては収集運搬や焼却において二酸化炭素が排出される。ゼロにできなくてもできるだけ削減する努力が必要。組合と2市1町が協調して進めなければならない。一方、一般廃棄物処理において排出される二酸化炭素の量自体は、けして多くない。二酸化炭素の排出抑制にどこまでコストを掛けるか、住民に分別などの手間・負担を求めるかについても十分な議論が必要。今後どのように取り組んでいくのか。
A.構成市町においてゼロカーボンシティ宣言を表明していることから、その方向性を踏まえ、今後2市1町との整合を図りながら新たなごみ処理施設の建設に向けた事務を進める。
Q.今年度すでに2か月余りが経過しているが、この間、今後の進め方など具体的な話し合いはしていないのか。
A.当組合では新たなごみ処理施設の建設に向け、2市1町の担当部課長から構成される『幹事会』や副市町長から構成される『調整委員会』を設置し、4月21日に最初の幹事会、4月27日に最初の調整委員会を開催し、今後の事務の進め方について協議した。その中でまずは事業の全体スケジュールを把握すべく、事務局で素案を作成し、2市1町の意見をいただきながら工程表を作成していく。
(2) 廃棄物処理において二酸化炭素排出量を削減するための具体的な方策は。
Q.国では昨年10月22日に『地球温暖化対策計画』を閣議決定し、この中に廃棄物分野において取り組むべきことが記されている。こうしたものを参考に、本組合では具体的にどのような方策が考えられるか。
A.令和4年度当初予算に計上した委託料3千万円に、基本構想や一般廃棄物処理基本計画などが含まれており、これらを策定する過程において、構成市町の考えを確認しながら、建設すべき施設の在り方について検討する。
Q.現時点では組合として具体的にイメージしているものはないということか。
A.現時点で当組合として具体的なイメージはないが、今後事業が進捗していく中で、構成市町による脱炭素に向けた施策と整合を図りながら、調査研究し、検討してまいりたい。
意見 答弁を聞いていると2市1町の取組が先にあり、それに合わせて組合が取り組んでいくかのように聞こえる。少なくとも一般廃棄物処理に関する取組については、必ずしも2市1町で一致するとは限らないが、一緒にできることは一緒に取り組んだ方が良いので、可能な限り協調してやっていけるようしっかりと議論をしていただきたい。
(3) 新焼却施設の整備に向けた手順について
Q.ゼロカーボンの取組を進めるには、どのようなごみ処理を行うか、どのような施設が必要か、焼却で生じたエネルギーをどう活用するかなどの検討が必要。これらによって必要な施設の面積や適した場所が変わってくる。ゼロカーボンの取組が決まらないと建設地も決まらないと思うがいかがか。
A.新たなごみ処理施設の計画については、今後全体スケジュールを作成していく中で検討してまいりたい。
要望 ゼロカーボンという要素が加わったことで施設整備までにやらなければいけない、検討しなければいけないことが多くなっている。早急に検討を開始し、具体的なスケジュールを提示するよう求める。
(4) 新焼却施設の建設予定地について
Q.建設予定地は建設等検討委員会で選定していくと理解しているが、基本合意書では鴻巣市郷地安養寺としている。検討委員会では、郷地安養寺が適地であるかどうかを調査、審査するのか、他の場所についても改めて検討するのか。他の場所も検討する場合、組合でいくつかの候補地を提示するのか、候補地の選定を含めて検討委員会が行うのか。
A.建設予定地の関係を含めた、本事業に係るさまざまな事項を検討していただくため、現在(仮称)新たなごみ処理施設等建設検討委員会の設置に向けた事務を進めている。
要望 第1回定例会の質疑では、4月から建設検討委員会を設置する条例の準備に取り組み、できるだけ早い議会に上程すると答弁していた。本来であれば今議会に条例が上程されるか、少なくとも何らかの方針が示されてしかるべき。次の定例会では秋になってしまう。臨時会の開催も含め、早急に検討をしていただきたい。
(5) 2市1町の基本合意書で建設予定地としている鴻巣市郷地安養寺地区の住民との話し合いについて
Q.組合としては鴻巣市郷地安養寺地区の地元住民に何らかの説明をしているのか。また、組合ではしていないものの、構成市町において何らかの説明を行っており、その内容について組合に引き継がれているもの(建設するにあたっての条件、要望事項など)で、組合として把握しているものはあるか。
A.当組合として、建設地が確定した段階で地元住民の方々と話し合う機会を設けてまいりたい。
Q.構成市町が基本合意に当たり地元住民に何らかの説明をしている、又は何らかの条件が示されているかどうかについて、構成市町からは特段何も聞いていないということか。
A.基本合意書では建設予定地は鴻巣市内の土地であることから、鴻巣市の事務として地元との話し合いがあったものと認識している。
Q.内容まで伝え聞いていないということか。それとも答弁できない、答弁する立場にないということか。
A.内容については、今後建設のための事務を進めて行く中で、必要に応じて適宜聞いていく。
(参考)鴻巣市議会における地元要望の取り扱いに関する一般質問
鴻巣市議会令和3年12月定例会の一般質問において坂本晃議員が関連する質問を行っています。環境経済部長の答弁の要旨は次のとおりです。
新施設に関する事務を進める上では、建設予定地の皆様のご理解とご協力が必要不可欠であり、地元要望の重要性については認識している。本市としては、鴻巣行田北本環境資源組合で取りまとめられた、水道(水路)・温浴施設・道路整備等に関する地元要望については、埼玉中部環境保全組合を事業主体として進める新施設に関する事務の中で検討されるものと考えており、組合での新施設に関する事務が開始された後、組合に対して提言してまいりたい。