北本市のパブリック・コメント制度、過去2年で半分以上が意見ゼロ

パブリック・コメント制度をご存知ですか?

パブリック・コメント制度は、市の政策形成過程における透明性および公平性の向上を図り、市民の皆さんの市政への参加を促進するものです。

北本市は自治基本条例において、「市長等は、重要な計画の策定及び条例の制定に係る案について、パブリック・コメント手続を実施し、市民が意見を述べることができる機会を保障しなければならない。」と定めています。

市民生活に広く影響を及ぼす市政の基本的な計画・条例等を立案する過程において、これらの案の趣旨、内容等を公表し、その案について市民の皆さんから提出された意見を考慮して意思決定を行うこととしています。

パブリック・コメントの危機

昨年度と今年度のパブリック・コメント制度の実績を下に掲載します。

ご覧のとおり、2017年4月から2019年2月10日まで結果が公表されているものが18件ありますが、意見がなかったものが10件1人からしか意見がなかったものが7件です。実は私はどのような案でもできるだけ意見をしようと思い、頑張って意見を提出しています。私がいなければ意見なしの案件はもっと増えていたはずです。

この結果をどう考えたら良いでしょうか?意見が出ないくらい文句のつけようのない案だ、ということではないでしょう。こういった意見照会がされていることを知らない、案を読んでもわからない、意見をするのが面倒くさいなど、様々な理由が考えられます。

市の重要な条例や計画を策定するに当たり、市民が意見できる数少ない制度ですが、十分に活用されていないのは明らかです。そして何よりも怖いのは、パブリック・コメント制度をこなしたことで、実際には「市民からの意見がなかった」だけなのに、「市民の了解を得た」ことにされてしまうことです。

まずはパブリック・コメントに添付する資料を工夫したり、SNSも活用して周知を徹底したり、意見を提出する前に質問を受け付けるなど、意見が増えるよう工夫する必要があるでしょう。それでもなお意見が増えないのであれば、パブコメに変わる新たな市民参加や協働の方法を考えなければならないと思います。