北本市平成30年度補正予算(第5号)には、農業ふれあいセンター(桜国屋)のリニューアルに係る予算、約1億6千万円が含まれていましたが、市議会において賛成多数で可決となりました。この補正予算については、先に公開した記事をご覧ください。
賛成・反対討論の要旨
市議会では採決に先立ち、賛成・反対討論がありましたので、その要旨を紹介します。
市民の力・工藤議員 【反対】
- エビデンス、合理的な根拠が十分ではない。
- 農業ふれあいセンターのポテンシャルが高いという執行部の答弁があったが、ポテンシャルが高いという認識はない。
- 現在の施設ができてから15年の結果を見て、今後これだけの多額の財源を投入する必要があるか大きな疑問がある。
- 公共施設マネジメント計画を策定し、公共施設の大幅な見直しに取り組んでいる中、なぜ方針の方向性が出ないままに新たな施設整備を行うのか?整合性が図れていない。
- 一度立ち止まって抜本的に見直すべき。
平成会・加藤議員 【賛成】
- 地域経済の活性化、産業振興の推進を図るため、農業ふれあいセンターを活用した賑わい創出策が着実に実行されるように要望してきた。
- 既存施設の老朽化に伴うリニューアルであること、関係者等との協議を経て策定した基本計画との整合を図った上で、市の財政負担を考慮し国庫補助金を活用した、有効な予算である。
日本共産党・湯沢議員 【賛成】
- 都心から遠くない北本市が担う農業拠点としてポテンシャルを高めることによりさらなる役割が果たせることにつながる。
- 担い手・跡継ぎ不足、高齢化により生産量の確保ができないなどの問題があり、地場産品の販売先として農業ふれあいセンターの果たす役割は大変大きい。
- 現在よりもう一歩進歩した環境を整え、北本の農業へ大きな後押しのできる施設に生まれ変わっていただきたい。
※ 以上はあくまで私がまとめた要旨です。詳しくは、北本市議会の録画配信を見るか、後日公開される議事録でご確認ください。
各議員の賛成・反対
賛成
湯沢、中村、松島、渡邉、今関、北原、大嶋、三宮、保角、滝瀬、黒澤、岸、加藤、横山
反対
工藤、日高、金子、諏訪、高橋
桜国屋リニューアルで賑わい創出や農業振興が果たせるのか?
桜国屋をリニューアルするに当たっては、これまでの桜国屋が果たしてきた役割を正当に評価する必要があるはずです。
工藤議員の指摘によれば、北本市の産業別市内総生産に占める農業の割合は、平成元年は0.8%でしたが、平成10年に0.4%に半減し、平成26年度まで0.4%のままです。農業ふれあいセンターが北本市の農業振興に果たした役割は、決して大きくなかったのではないかと思います。
これまでどれだけの予算を投入して、どれだけ回収できたのか。回収できなかったとしたら何が問題だったのか。ここをきちんと評価しない限り、新たな投資は慎むべきだと思います。農業ふれあいセンターのリニューアルが賑わい創出につながる、あるいは農業振興につながるという理想は、私には絵に描いた餅にしか思えません。基本計画を見ても、なんの根拠も示されていないのです。
平成会の言う、地域振興や産業振興の必要性はわかりますし、日本共産党の言う農業の担い手・後継者不足への対応が必要なのもわかりますが、農業ふれあいセンターのリニューアルによってそれらの目的が果たせるという根拠が私には分かりません。
市長を選ぶのも、市議会議員を選ぶのも市民です。まもなく4年に一度の大事な選挙です。現職に対しては、これまでどのような実績を残したか、判断をしてきたかで評価すべきだと思います。公約が果たされる保証はどこにもないのですから。