建設地を巡る鴻巣市と行田市の攻防
1で報告したとおり、概算事業費(整備費)は約248億円とされていますが、これには地盤改良費や水路・道路の整備費、用地購入費は含まれていません。総事業費については概算すら算出しておらず、今年11月定例会に提出する債務負担行為の議案において明らかにする、というのが組合の主張です。そこまで行ってしまっては後戻りすることはできません。
建設地見直しを訴えて市長選を勝ち抜いた石井行田市長(組合副管理者)は、建設地の見直しを検討するよう求めています。建設地を行田市小針(現在の小針クリーンセンターの隣接地)にしろということではなく、どちらが安くできるのか一番良い方法を検討しようと主張しており、7月18日の定例会でも各議員からの質問に答弁していました。一方、原口管理者(鴻巣市長)は、基本合意で決まっていることであり、見直し不要という立場を崩しません。
ごみ処理広域化の推進に関する基本合意書(H25.5.7)には、「ごみ処理施設の建設地は、鴻巣市内とする。」と記されている一方で、補則として「本合意事項について疑義が生じたときは、行田市、鴻巣市、北本市で協議のうえ、決定するものとする。」とも記されています。石井行田市長は「疑義が生じた」として見直しを求めています。
また、地方財政法第4条第1項には「地方公共団体の経費は、その目的を達成するための必要且つ最小の限度をこえて、これを支出してはならない。」と定められています。
ごみ処理施設の目的は、言わずもがな、ごみを処理することです。行田市小針に建設した方が、鴻巣市郷地・安養寺に建設するよりも建設コストが大幅に安いことがわかれば、鴻巣市郷地・安養寺に建設することは地方財政法違反となる恐れがあります。
私は7月18日の一般質問でこのことを指摘し、次のように要望しました。
「鴻巣市内でベストと考えられる場所が現在の候補地だとしても、行田市内に建設した場合には建設コストが大幅に節約できるのだとしたら、地方財政法の規定に照らして、どちらが相応しいか再検討する必要があるのではないかと思います。事務局は早急に事業費の総額を明らかにし、現在の候補地に異を唱える行田市にも総事業費の概算を求め、比較検討をするよう要望します。」