◆一般質問 学童保育事業における保育の質の確保について R1.6.21

令和元年第2回定例会における一般質問 6月21日(金)

件名1 学童保育事業における保育の質の確保について

要旨1 各学童保育室の専用区画の面積や支援の単位は条例に照らして適正な状態か
要旨2 支援員が長く働き続けられるよう、労働環境と処遇の改善が必要ではない

要旨1 各学童保育室の専用区画の面積や支援の単位は条例に照らして適正な状態か

質問

子ども・子育て支援新制度が始まって以降、女性の就業率の上昇などを背景として、学童保育の利用児数が全国的に急増している。北本市では、学童保育室の待機児童をつくらないように、定員を定めず希望者全員を受け入れているが、一部の学童保育室では児童数の増加により、十分な生活スペースが確保できず、保育環境の悪化が懸念されている。学童保育室の児童1人当たりの専用区画の面積や一つの支援の単位の人数は、条例に照らして適正な状態か。特に、中丸学童保育室の状況はどうか。

答弁(三橋福祉部長)

入室している児童が毎日利用している状況ではなく、習い事等の理由により毎日は利用しない児童や、放課後こども教室を利用しその活動が終了してから学童保育室を利用する児童もおり、登録人数と利用状況との違いから、これまでも実利用人数をもとに説明しています。

令和元年5月現在の利用状況を申し上げますと、各学童保育室の1日当たりの利用者数は、登録児童数に対しまして平均して約75%の利用率となっております。利用者数から専用区画の面積を見ると、11学童保育室のうち10学童保育室が条例の基準値を上回っています。西学童保育室は1.62㎡で基準値を0.03㎡下回っていますが、専用区画の面積はおおむね対応できている状況です。一方、一つの支援の単位の人数は5つの学童保育室が条例の基準40人を超えている状況です。

中丸学童保育室は平成30年7月より小学校の空き教室を利用しており、令和元年5月現在、児童1人当たりの面積は1.96㎡、児童数は47人ずつの2支援単位となっています。

条例に照らし全てが適正に実施されているという状況ではないので、支援単位の分割について改善に向け早急に対応してまいります

再質問

Q.西学童以外は基準を満たしているとの答弁だが、埼玉県が公開している平成30年度放課後児童クラブの設備及び運営の状況調査結果を見ると、児童1人当たり設備部分を除いて1.65平方メートル以上の広さは確保されている学童の数が北本市は12か所中4か所のみとなっている。埼玉県の調査結果との違いはどこにあるか

A.埼玉県の調査は、専用区画面積を算出する際に登録児童数を使って計算がされていることから、差異が生じているものです。

平成30年度 放課後児童クラブの設備及び運営の状況調査結果(埼玉県)

Q.最も支援の単位の人数が多い学童保育室はどこで、何人か。

A.西学童保育室で85人です。

要望

支援の単位が大きくなればなるほど目が行き届かなくなる。一人ひとりの子どもに丁寧に対応することが難しくなるということであり、子どもの命を預かっている事業なのでしっかりと迅速に対応していただきたい。

要旨2 支援員が長く働き続けられるよう、労働環境と処遇の改善が必要ではないか

質問

指定管理者では、2018年度もハローワークへの登録や求人チラシをポスティングや北本駅で配布するなど、支援員の求人活動を行ったものの、一部の学童保育室において支援員が不足する状況があったと聞いている。

放課後児童支援員の仕事は、子育て経験のあるものであれば誰でもできるというような簡単な仕事ではない。長時間にわたり、年齢や性別の異なる多数の児童の安全を見守るだけでなく、一人ひとりの子どもの主体性を尊重しながら、自主性、社会性を育むことが求められる。大変専門性の高い仕事である。

指定管理者においても労働環境の改善を図っていることと思うが、特に処遇、賃金の改善は指定管理者だけでは対応が難しく、指定管理料の増額など市による財政的な支援が必要ではないか。優秀な支援員が長く働き続けられるよう、労働環境や処遇の改善をどのように図っていくのか

答弁(三橋福祉部長)

職員の労働環境、処遇改善等は、第一義的には指定管理者が行うものですが、支援員の安定的な確保と資質の向上は、子どもたちの保育の質に直結することなので、改善を図ることができるよう、指定管理者と協議をします。

再質問

Q.処遇改善については、放課後児童支援員の処遇改善に関する経費を国が補助する制度があったと思うが、北本市におけるこの事業の活用の状況は。

A.こちらの補助金につきましては、放課後児童支援員と、処遇改善事業の実績額に対し、国、県からそれぞれ三分の一ずつの交付を受けるものです。北本市における放課後児童支援員等処遇改善事業については、平成29年度が事業経費3,180万3,924円に対して補助額2,120万2,000円を受け入れ、平成30年度が事業経費3,194万4,000円に対して補助額2,129万6,000円を受け入れている。指定管理者のほうで、給与法に基づき給料が毎年上がっているという状況でその経費を見込んだ形で、市としてはお支払いしておりますので、処遇改善を行っているということで補助金をいただいている。

要望

平成30年7月に取りまとめられた厚生労働省の社会保障審議会児童部会放課後児童対策に関する専門委員会の中間とりまとめには

「放課後児童支援員の職務には、子どもとの直接的な関わりのみならず、育成支援の計画や、保護者、学校や地域との連絡など、様々なものがある。これらの職務が確実に行われるよう、放課後児童支援員の処遇改善が望まれる。また、子どもとの安定的、継続的な関わりが重要であるため、放課後児童支援員の雇用に当たっては、長期的に安定した形態とすることが求められる。」

とされている。こうしたことを踏まえ、指定管理者ともしっかり連携をして、支援員さんができるだけ長く働き続けられるような環境づくりを行っていただきたい。