広報きたもと5月号、6月号の特集記事をご覧になった市民の方からご質問をいただきました。
質問は大きく分けて
①財政の見通しについて
②公共施設マネジメントについて
③シティプロモーションについて
の3点です。
多くのみなさんに共通する疑問だと思いましたので、質問者様にご了解をいただき、頂戴した質問の要旨と私なりの回答を掲載します。
財政見通しについて(広報きたもと5月号)
人口減少、高齢化により、今までより市税収入はますます減少するのに扶助費はますます増加します。今後、市の財政はどうなってしまうのかと不安に思います。やりくりは苦しいながらも何とかできていくよといった見込みを市は持っているのでしょうか。
今後の財政見通しについてですが、危険なのは借金が増えることと、基金が尽きることです。石津市長時代に小中学校の大規模改修と市役所庁舎を建設しましたので、一時的に財政状況が悪化しました。しかし、その後は良い意味でも悪い意味でも投資を控えてきたので、市債残高は減少傾向にあります。基金残高も問題のない水準でしたが、新型コロナウイルス対策の影響で一気に目減りしました。無駄遣いしないように議会としても注意深くチェックをしていきたいと思います。
将来的に人口は減りますが、子どもの数も減り、その分の支出も減っていきます。また、税収が減ったとしても、地方財政制度によって地方交付税である程度補てんされます。行政サービスが抑制される可能性はありますが、破綻するようなことにはならないはずです。
新型コロナウイルス対策以外の懸念材料は、ごみ処理焼却施設の建設と、久保土地区画整理事業(デーノタメ遺跡を含む)です。過大な投資を行えば、市債残高が一気に増加し、財政危機に陥ります。ごみ処理施設については、少しずつ基金を積み増して備えており、久保土地区画整理事業については現在見直しを実施中です。
(参考)令和2年度北本市財政計画
公共施設マネジメントについて(広報きたもと6月号)
廃校になった学校を利用してそこに機能を集約していく。いい考えだと思うのですが、例えば体育センターの機能と公民館の機能を集約しても、既存の施設は残ります。使わなくなった施設の方向性は広報では触れられていませんが、別の目的で利活用したり、取り壊して売却したりするのでしょうか。
廃止施設の活用については『北本市公共施設マネジメント実施計画』の65頁に「施設の集約化・複合化に伴って生じる廃止施設や未利用地等の活用については、速やかに売却、譲渡、転用することを優先して検討することとする。」と記載されています。これが基本線です。
一番の課題は、施設をスムーズに廃止できるかどうかだと思います。多くの市民の理解を得られたとしても、実際に施設を利用している利用者からは維持してほしいという要望が出てくることが予想されます。市長としては、反対を押し切って(政治生命を賭けてでも)やりきるか、個別の要望に応えて残すのか、という難しい判断を迫られると思います。遺跡以外には関心がなく、一度決めたことでもコロコロと態度を変えてしまう三宮市長なので、やり切るのは難しいのではないかと思っています。
シティプロモーションについて
広報きたもと5月号の特集記事の感想としては「また、財政が厳しいっていうことが書いてあること」と「別に真新しい・期待できるような新しい施策もないよね」ということです。市の認知度を上げ、産業や人を呼び込むため、シティプロモーションを行うというのもわかるのですが、結局はサイトと動画を作って終わってしまうのではないでしょうか。
シティプロモーションについては、実はかなり緻密な計画を立てて、その筋の第一人者でもある河井孝仁東海大学教授にもアドバイスをいただきながら、着実に進めています。平成31年にシティプロモーション推進方針を策定し、若い市民・市内事業者の方たちと若手の職員が中心になって取り組んでいます。
市街地再開発や区画整理のように派手ではありませんが、低予算・低リスクです。これまでも市民と一緒に北本のセールスポイントを探したり、市民の中から北本の良さを発信してくれる人を育成したりしていて、その流れの中でシティセールスのための動画の作成に至っています。
課題としては、この方針の重要性を市長が理解できていないことです。北本市では「&green」をキャッチフレーズとしてシティプロモーションに取り組むことにしているにも関わらず、市長が勝手に「縄文のまち」とか「トカイナカ」という言葉を使ってしまいます。執行部からも繰り返し市長に説明しているのですが…。
(参考)シティプロモーション推進方針