北本市 令和元年度決算の解説

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令和元年度決算の概要

北本市の財政状況は、おおむね良好です。

市債の発行を抑制しており、市債残高は減少傾向にあります。基金残高も横ばいを維持しています。

経常収支比率や義務的経費比率も県平均と同水準で、特に問題はありません。実質公債費比率や将来負担比率などの健全化判断比率を見ても、早期健全化基準を大きく下回っています。

ただし、今後は税収の減少や、民生費(福祉関係経費)の増加が見込まれ、引き続き健全な財政運営を行う必要があります。

ただし、事務執行の面では不適切な処理がありました。

原則として、予見不能かつ支出不可避な経費にのみ充用できる予備費を、オリンピック・パラリンピックのキャンプ招致の経費に充てていました。キャンプを招致するつもりなら、事前に予算を計上しておくべきでした。極めて不適切な執行です。

また、介護保険特別会計では、令和元年度予算として支出しなければならない令和2年3月分の介護給付費について、令和元年度予算として支出することを失念(支出時期が令和2年4月以降となるため)し、令和2年3月定例会において必要以上に減額補正をしてしまったため、令和元年度予算から支出できなくなってしまいました(令和2年度予算から支出)。補正予算として議会に提出するためには何重ものチェックが必要であり、その全ての機会においてミスを発見できなかったことになります。

しかも、この誤りについて議会に報告せず、議会が気づかなければ説明をせずに済まそうとしていました。あり得ないことです。原因の究明と再発防止の徹底をするよう強く求めました。

※議会では、令和2年3月定例会の健康福祉常任委員会において、介護給付費の減額があまりに大きいことから質疑をしましたが、執行部は県のシステムを参考にした当初の見積もりが過大だったと説明していました。

大規模プロジェクトが進んでおらず、将来への不安が残ります。

久保特定土地区画整理事業は令和元年度末の総事業費進捗率が43.0%。前年度末から1.7%しか進んでいません(数値は「彩の国の区画整理」による)。市長はデーノタメ遺跡との共存を目指すと言っていますが、具体的な計画の見直しは進んでいません。令和7年度末の事業完了は絶望的です。

また、昨年12月に白紙解消となった新ごみ処理施設整備も、その後、進捗が見られません。

これらの2事業は将来的に北本市の財政状況に大きな影響を及ぼすもので、早急に方針を決定し、将来負担を算定しなければなりません。

これらの2事業については、改めて「ウェルビーイングきたもとチャンネル」で解説する予定です。