令和4年3月定例会に提案された議案

令和4年第1回定例会は令和4年2月21日に開会し、3月22日に閉会しました。今議会には、市長から条例7件、予算13件が提案され、条例については全て可決、予算については令和4年度一般会計当初予算を除き、可決されました。

ここでは、今定例会で可決された条例案(市長提案のもの)について報告します。

令和4年度当初予算については、こちらをご覧ください。
http://sakuraisuguru.jp/2022/04/01/r04tousho-yosan/

令和3年度補正予算については、こちらをご覧ください。
http://sakuraisuguru.jp/2022/03/31/r04-03gatsu-hosei/

議案第9号 北本市職員の育児休業等に関する条例の一部改正について 【賛成全員】

国の非常勤職員に係る育児休業制度との権衡を考慮し、非常勤職員に係る育児休業等の取得要件を緩和する。

非常勤職員の育児休業・介護休暇等の取得要件の緩和等について、人事院勧告を受け人事院規則が改正されたことに伴い、総務省から通知(https://www.soumu.go.jp/main_content/000794319.pdf)されたため、本市においても同様の取り扱いを行うもの。

◆桜井の賛成討論

総務省から通知された条例改正案で追加されていた、意向確認のための面談、不利益な取り扱いの禁止、及び、勤務環境の整備に関する措置について、本条例案には規定されていない(下図参照)。この条例案が可決されないと、育児休業の取得緩和ができなくなり本末転倒なので賛成はするが、人事院規則改正の趣旨を良く確認し、必要に応じて他の休暇制度等との均衡も図りながら、改めて条例を改正して明記するか、すでに具体的取扱いについて定めたものがあるならば、人事院規則等との整合を図るよう見直すことを求める。

議案第10号 北本市職員の勤務時間、休日及び休暇に関する条例の一部改正について 【賛成全員】

職員の多様で柔軟な働き方を可能とするため、週休日及び勤務時間の割振りの特例を設ける。

今後、育児や介護により柔軟な働き方が必要となる職員が増加する見込みであることから、柔軟な働き方を可能とするため、フレックスタイム制度を導入し、人材の確保を図るもの。

◆桜井の質疑

(質疑)担当者が不在で出直しを求められたり、説明が受けられないことが多々ある。フレックスタイムの導入で今まで以上に窓口が手薄になる恐れがあるが、組織で対応できるようにするためにどのような対策を講じるか。

(総務部長)現状で誰さんでないと分からないという状況が多々あると認識している。担当者が不在でも、同じ担当の者が市民の方にきちんと説明できるように、研修等により職員の教育に努めてまいりたい。

議案第11号 北本市消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例の一部改正について 【賛成全員】

消防団員の報酬等の基準の制定を踏まえ、消防団員の給与等を改定するとともに、規定の整備をする。

消防団員の減少に歯止めがかからないことから、消防庁において消防団員の処遇改善を検討し、出動報酬の創設や報酬の基準の策定、報酬等の団員個人への直接支給の徹底などを、市町村に対して求めたことに伴う条例の改正。

本市においては、団員手当(報酬)、分団手当、警戒手当は変えず、出動手当を1回2,500円から1日8,000円(従事が4時間未満の場合は4,000円)に、訓練報酬を1回2,500円から3,500円に増額

議案第12号 特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正について 【賛成全員】

報酬等に係る取扱いを明確化するため、学校医等の報酬等に係る規定を本条例に統合し、及び規定を整備する。

福祉事務所嘱託医について、実際には月額53,040円を一般医と精神科医に按分して支給しているため、これに合わせて条例を改正する。

学校医、学校歯科医、学校薬剤師については、北本市立学校の学校医等の手当及び費用弁償等に関する条例で定めていたが、規定上、年度途中で交代した場合でも年額を支給しなければならないことになっていたため、こちらの条例に統合し、日割支給できるように改める。報酬・費用弁償の額については、変更なし。

◆桜井メモ

福祉事務所嘱託医について、条例に依らずに按分支給するなど、本来はあってはならないこと。過去に按分支給した分について、遡及して支給することを検討するよう、健康福祉常任委員会において求めました。

議案第13号 北本市重度心身障害者医療費支給条例の一部改正について 【賛成多数】

制度の公平性を確保するため、重度心身障害者医療費の支給に関し、所得制限を設ける。

重度心身障害者医療費助成制度は、埼玉県による助成制度(https://www.pref.saitama.lg.jp/a0702/jyuudo.html)だが、県において所得制限を設け、令和4年10月以降は県から補助されなくなるため、市においても所得制限を設けることとするもの。県内全ての市町村において所得制限が導入されることとなる。

◆桜井による反対討論(要旨)

令和4年第1回定例会では、子育て世帯への臨時特別給付金の支給対象とならなかった所得超過者に対して、市が独自に給付金の支給することを決定したが、今回は高額所得者には補助金を交付しないという。一貫性がない。対象者は6人で所要額も23万円程度で財政的にできないことでもない。事務手続きも煩雑になる。他の市町村と横並びであることばかり気にしており思考停止に陥っている。受け入れられない。

議案第14号 北本市国民健康保険条例の一部改正について 【賛成多数】

国民健康保険制度改革に伴い賦課方式及び税率等を改定し、及び地方税法の一部改正に伴い未就学児に係る国民健康保険税を減額する。

賦課方式について、従来の4方式(所得割・資産割・均等割・平等割)から、2方式(所得割・均等割)に改める。また、税率を引き上げる。下表を見ると、県が示した標準保険税率と比較して、本市では、所得割を大きく引き上げる一方で、均等割は引上げ幅を抑えています。なお、令和5年度には賦課限度額が引き上げられる見込みです。

※表の中の標準2方式、標準4方式は、県が示した標準保険税率。

子育て世帯の経済的負担軽減を図るため、小学校に入学する前の未就学児について均等割保険料を5割軽減する。

◆桜井の討論

県から示された2方式の標準税率は、所得割が11.74%、均等割が74,155円ですが、改正案では所得割を12.4%、均等割を54,800円とするもので、均等割の引上げ幅を抑えることで低所得者の負担増を小さくしようと配慮している。税率の引き上げを行わなければ、近い将来、国民健康保険財政調整基金が枯渇し、一般会計から法定外繰入を行わざるをえなくなる。これは国保加入者以外の市民が、国保加入者のために保険料の一部を負担することになるもので、現状の制度においては税率の引上げはやむを得ない。

一方で、国民健康保険の加入者の保険料負担率が、協会けんぽ、組合健保、共済組合の加入者と比較してかなり高くなっている点は不合理であり、今後も国保財政を維持するためには、このような場当たり的な税率引上げや保険制度間の財政調整制度の見直しではなく、構造的な問題を解決しなければならない。医療保険制度の一元化や税方式への組み替えなど、抜本的な見直しについても国や県に要望していくべき。

今回の税率引上げは、低所得者に配慮したものとなっているが、それでも個別には保険料が大きく増額する被保険者もいるはず。軽減や減免の制度について改めて周知を徹底するとともに、滞納整理に当たっては、滞納者の個別・具体的な実情を十分に把握した上で、適切な執行に努めることを要望する。

議案第15号 北本市都市計画法に基づく開発許可等の基準に関する条例の一部改正について 【全員賛成】

都市計画法の一部改正に伴い、原則として開発することができない土地の区域を拡大する等開発許可等の基準を改定するとともに、規定を整備する。

頻発・激甚化する自然災害に対応した安全なまちづくりのため、災害ハザードエリアにおける開発抑制や移転の促進等の総合的な対策を講じる。

北本市で影響する部分は、北本自然観察公園駐車場の北側斜面の一部天神下公園の南東部の斜面がレッドゾーン(土砂災害特別警戒区域)、荒川河川区域高尾宮岡ふるさとの緑の景観地北本自然観察公園がイエローゾーン(想定浸水深3m以上の区域)で、開発に規制がかかる。