令和4年第2回定例会は令和4年6月3日に開会し、6月24日に閉会しました。今議会には、市長から条例4件、人事議案3件、予算3件の計10件が提案され、全て可決されました。
ここでは、今定例会で可決された全議案について報告します。
提案された議案は、北本市議会ホームページからご覧いただけます。
https://www.city.kitamoto.lg.jp/shigikai/katsudo/gian/2/reiwa4nen/14067.html
※リンク先の一番したの方にPDFファイルがあります。
議案第22号 専決処分の承認を求めることについて(北本市税条例の一部改正について)【全員承認】
地方税法の一部改正に伴い北本市税条例の一部を改正する必要があることから、地方自治法第179条第1項の規定により専決処分したので、同条第3項の規定により報告し、承認を求めるもの。
①貯留機能保全区域に係る固定資産税の課税標準の特例措置の新設
特定都市河川浸水被害対策法に規定する貯留機能保全区域の指定を受けた土地の固定資産税の課税標準の特例を創設する。わがまち特例(参酌基準3/4、2/3以上5/6以下の範囲で市町村が条例で定める)。北本市では当該区域がないことから、参酌基準の4分の3を採用した。
貯留機能保全区域とは、河川沿いの低地や窪地など、雨水を一時的に貯留する機能を有する土地を、将来にわたってその機能を保全することを目的とし、土地の所有者の同意を得た上で指定する区域です。この区域において、貯留機能を阻害するような行為(盛り土や塀の設置等)をする場合は、届出が必要。
②商業地等に係る令和4年度分の固定資産税の特例の新設
地価の上昇に伴う負担の急増と新型コロナの影響等による経済社会情勢の悪化とその後の回復状況を踏まえ、令和4年度限りの措置として商業地等の税額の上昇幅を評価額の2.5%(現行5.0%)分の税額とする措置。国交省・経産省の強い要望により実現。
③規定の整備
施行期日 令和4年4月1日
◆ちょっと一言
①については市町村が地域の実情に応じて割合を決定できるものにも関わらず、令和4年4月1日施行のため議会を開く暇がなく、首長が専決処分している例がほとんどだと思います。こうしたものはきちんと議会で審査できるよう、時間的余裕を持って施行してもらいたいところです。
議案第23号 専決処分の承認を求めることについて(北本市都市計画税条例の一部改正について)【全員承認】
地方税法の一部改正に伴い北本市都市計画税条例の一部を改正する必要があることから、地方自治法第179条第1項の規定により専決処分したので、同条第3項の規定により報告し、承認を求めるもの。
①貯留機能保全区域に係る固定資産税の課税標準の特例措置の新設
②商業地等に係る令和4年度分の固定資産税の特例の新設
③規定の整備
※改正の内容は議案第22号と同じ。
施行期日 令和4年4月1日
議案第24号 北本市税条例の一部改正について 【全員賛成】
地方税法の一部改正に伴い、個人の市民税の住宅借入金等特別税額控除の適用期間の延長をする等するとともに、規定を整備する。
◆主な改正内容
住宅借入金等特別税額控除(住宅ローン控除)の見直し
所得税の住宅ローン控除の適用者について、所得税額から控除しきれなかった額を、所得税の課税総所得金額等の5%(最高97,500円)の控除限度額の範囲内で、個人住民税額から控除する。従前は7%だったところ、消費税率引上げによる需要平準化対策が終了したことから5%に引き下げる。地方税の減収額は、地方特例交付金により全額国費で補てんされる。令和4年から令和7年までの間に居住の用に供した者に適用される。
上場株式等の配当所得等に係る課税方式の一致
所得税と住民税とで異なる課税方式(申告不要・申告分離課税・総合課税)を選択することができた上場株式等の配当所得等について、住民税の課税方式を所得税と一致させるための措置を講ずる。令和6年度分以降の個人住民税に適用される。
◆一口メモ
源泉徴収の場合の税率は所得税が15.315%で住民税が5%。総合課税を選択すると所得税率は所得に応じて5%~45%、住民税は10%。これまでは所得税と住民税で別々の課税方式が認められていたため、住民税においては総合課税を採用するメリットがなかったが、所得税と住民税とで同一の課税方式をなる場合には、通算してどの課税方式が有利になるか計算して、課税方式を選択する人が多くなり、総合課税の方が有利な場合には住民税においても総合課税が適用されるので、市町村税は若干の増収が見込まれる。
個人市民税に係る給与所得等の扶養親族等申告書の記載事項の見直し
市町村が賦課課税に必要な情報を確実に把握できるよう、配偶者等が退職所得等を有する場合、給与所得者が給与支払者に提出する扶養親族申告書等にその旨を明記することとする。令和5年1月1日以後に支払われる給与等について適用。
固定資産課税台帳等の閲覧・記載事項証明書におけるDV被害者等の支援措置の明確化
登記所におけるDV被害者等の保護制度が設けられ、DV被害者等については住所に変わる事項を登録できるようになった。登記所から市町村へは登記された住所が通知されるが、この住所が固定資産課税台帳の閲覧や記載事項証明書の交付によって漏れることのないよう、登記所から住所に変わる事項が通知され、市町村ではこれを表示することとなった。市町村では既にDV被害者等の住所を開示しないよう取り扱っているところだが、法令上の位置づけを明確にした。令和6年4月1日施行予定。
議案第25号 特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正について 【全員賛成】
子どもの権利擁護委員 報酬:月額204,000円、費用弁償:日額2,000円
子どもの権利委員会委員 報酬:日額5,500円
◆総務文教委員会での質疑
Q.子どもの権利擁護委員の報酬を月額204,000円とした根拠と勤務体制は。
A.報酬については、既に子どもの権利に関する条例を施行・運用している先進自治体を参考にして、北本市いじめ問題再調査委員会委員長の報酬を基に算出しています。参考としたのは、川西市24万円、札幌市29万円、北本市いじめ問題再調査委員会委員長の報酬日額20,400円です。会議・打合せ、相談・救済業務、啓発業務を担っていただくことから、普及啓発についての資料の監修や、救済に当たっての専門資料の閲覧など、来庁せずに行える業務もありますので、1か月平均10回の実働を想定して204,000円としました。
◆桜井の討論(要約)
子どもの権利委員会委員の報酬は、本市のその他の類似する附属機関の委員と同様の役割であり、報酬日額5,500円とする提案は妥当。子どもの権利擁護委員の報酬は、日額で設定している先進自治体が多く、月額で設定しているのは川崎市、札幌市、川西市などわずかな事例しかない。しかし本市で想定している擁護委員の業務は、月数回の定例会への出席にとどまらず、相談員からの報告や相談を電話やメールで受けて対応を協議したり、普及啓発や研修のための資料の監修や作成をしたりするなど、来庁を前提としない業務も多数想定される。勤務日数や時間を限定せず、柔軟に対応していただく必要があることから、条例を作った立場としても月額設定が望ましいと考えていた。
また、報酬の月額は、行政不服審査会会長、行政改革推進委員会委員長等の報酬日額20,400円の10日分で、専門的な知識・経験を元に存分にその力を発揮していただくために妥当な額であると評価できる。
来る第3回定例会には、子どもの権利擁護委員の選任の議案が提案されるが、埼玉県内の市町村では初めてとなる子どもの権利擁護委員。この条件の下に、本市の子どもたちのために力を発揮していただける素晴らしい委員の方を選定されることを要望して賛成討論とする。
議案第26号 人権擁護委員候補者の推薦について 【全員同意】
髙橋淑子氏の任期満了に伴い、引き続き同氏を推薦する。
議案第27号 人権擁護委員候補者の推薦について 【全員同意】
岩渕正子氏の任期満了に伴い、引き続き同氏を推薦する。
議案第28号 固定資産評価員の選任について 【全員同意】
令和4年4月1日付けで税務課長となった、柳井志道氏を選任する。