令和4年12月18日(日)に北本市文化センターにおいて桜井すぐる後援会総会を開催し、合わせて市議会議員任期1期目の報告を行いました。このホームページでは私の1期目の取組をダイジェストで紹介します。
平成31年4月の市議会議員選挙には定数20人のところ22人が立候補し、私は16番目で当選しました。3月末まで県職員として勤務しており活動が限られていた中で、多くの方に期待を込めて投票していただいた結果と思います。
北本市議会では2年ごとに議長が交代し、議会の構成も大きく変わります。北本市議会では総務文教委員会に所属しました。また、北本地区衛生組合(し尿処理)と鴻巣行田北本環境資源組合(新ごみ処理施設整備)の2つの一部事務組合に議員にもなり、環境資源組合では特別委員会や検討委員会にも所属し、困難な課題に対する議論に参加しました。
後半の2年は同じ会派の工藤議員が議長に選任され、日高議員が別の会派に移ったため、私が会派の代表を務めることとなりました。代表者会議や議会運営委員会にも出席することとなり、1期目から貴重な経験を多く積むことができました。
また、健康福祉常任委員会では委員長に選任されました。子どもの権利に関する特別委員会では、副委員長として主に実務面を担当しました。
次に、この4年間で特に力を入れて活動したことについて、説明させていただきます。上記の3項目は、ウェルビーイング通信第29号にも書いた「議員活動3つのチェックポイント」です。
まずは広報です。市政や市議会のことをお知らせするのは、市民の皆様から選ばれた議員として最低限の責務と考えています。
ウェルビーイング通信は年8回程度(主に議会が開催されていない月)に発行し、駅頭配布やポスティング、新聞折込などによりお届けしています。
通信だけでは必要なことをお知らせできないため、詳しいことはホームページで解説しています。
さらに、ホームページには目的がないと見に来ていただけないため、日頃の発信はツイッターやLINEなどのSNSを活用しています。
また、新型コロナの感染拡大により議会報告会などの集会の開催が困難な時期が長かったため、YouTubeチャンネルを開設し、動画の配信にもチャレンジしていますが、未だにどのような発信の仕方が効果的なのか、試行錯誤をしているところです。
チェックポイントの2点目は、議会における市政のチェックです。議会において最も重要なのは、市長から提案された議案の審査です。
議案の審査は、議案調査・議案質疑・委員会付託(委員会での質疑・討論・採決)、委員長報告・質疑・討論・採決という流れを辿ります。
賛成・反対の意思表示を行う「採決」が重要なのは当然ですが、私は「議案質疑」や「討論」も重視しています。議案質疑を丁寧に行うことで、議案の内容・論点・問題点などを明らかにし、委員会での審査につなぐことができます。
討論では、賛成・反対に当たりその理由を述べますが、反対する場合や、賛否が分かれる場合にはできるだけ討論により自分の考えを明らかにするようにしています。北本市議会における議案質疑や討論の状況について、次に確認します。
※令和元年5月から令和4年10月までの集計です。議案1本に対し複数項目・複数回質問した場合でも、合わせて1回としてカウントしています。
議会では、一般質問が注目されがちですが、一般質問は一般的な会議で言うところの、議題の審議が終わったあとの「その他」に過ぎません。一般質問は、議員自身が関心の高い分野について質問するため、議員が主導権を握って進めることができますが、市長から提出される議案は市政の全ての分野から提出されるため、議員自身がきちんと調査・研究していないと質問をすることすらできません。
上に令和元5月から令和4年10月までの議案質疑と討論の回数をまとめましたので、参考にしてください。議事録や録画配信を見ていただけると、実際の質疑や討論をご覧いただけます。回数だけではなく「質」も重要なので、ぜひ議事録や録画配信もご覧ください。※北本市議会ホームページ(リンク)
実際の議案審査の事例を紹介します。令和4年12月定例会に提案された「個人情報の保護に関する法律施行条例の制定」は、審査の難しかった議案です。
個人情報の保護については、従来は市が条例を定めていましたが、国が法律で定めることとなったため(ルールの全国統一)、市の条例で規定すべき内容が少なくなりました。議員が目を光らせていなければ「国がルールを統一しました。市として変更することはありません。附属機関は不要となるため廃止します。」という執行部からの説明をそのまま受け取り、審査を簡単に済ませ、可決してしまうおそれのある議案でした。
この議案については、事前に議案を読んでいくつかの問題点があることを把握していました。そこで、全ての会派の議員に呼びかけて勉強会を開き、私が調べて分かったことや問題と思っていること伝え、参考資料を提供し、慎重な審査をお願いしました。総務文教委員会において審査した結果、委員会では否決すべきものと決定されました。
※詳しくは別途解説を掲載しています(http://sakuraisuguru.jp/2022/12/23/kojinjouhouhogojourei-hiketsu/)。
行政経験を活かして調査を行い、特定の政党に所属しない強みで全会派に協力・理解をお願いし、議会として問題を見過ごすことなく判断できたのではないかと思います。
チェックポイントの3点目は、議員としての政策の実現です。議員が一般質問や要望書を通じて市長に政策を実現してもらうことも多いですが、議員や議会として自ら実現することもできます。
北本市議会では令和3年に子どもの権利に関する特別委員会を設置し、子どもの権利に関する条例を制定しました。北本市議会として3本目の議員提案条例です。今後は執行部が条例に従ってきちんと施策を実施するかどうか、予算・決算の審査や一般質問を通じて確認するとともに、条例に問題があれば速やかに見直すことも必要と考えています。
次は、北本市議会が文部科学大臣に提出した意見書が実際に反映された事例です。学校における生徒指導の基本書である『生徒指導提要』の改訂に当たり生徒指導提要の改訂に関する協力者会議において令和3年7月に検討が始まりましたが、その中で「子どもの権利」に関する言及がされていないことがわかりました。
同年9月3日に名古屋市子どもの権利擁護委員が意見書を提出したことを参考に、北本市議会でも令和3年9月定例会において意見書を可決し、文部科学大臣に提出しました。
同様の意見書を提出した地方議会は他にありませんでしたが、いくつかの団体からは提出されており(協力者会議で配布された意見書一覧)、その後の試案には子どもの権利が明記されることとなりました。
しかしながら、北本市議会が意見書で求めた「生徒指導提要の全体を通して、子どもの権利を尊重する内容とすること。」についてはそのような内容とはなっておらず、以前と変わらず「大人が子どもを正しい方向へ導く」という考えが主体となっているように感じます。
健康福祉常任委員会では「いわゆるごみ屋敷の現状と対策」をテーマに、調査・研究活動を行っています。生活環境の面から地域で課題となっているだけでなく、お住いの方の健康や安全の面でも心配がありますが、現状では組織的な対応ができていません。自治会長さんや民生委員さんからも、困っているというお話しをよく伺います。
委員会としては、関係者へのヒアリング、文献の調査、先進市の視察などにより問題点や解決方策を整理し、市長に対して条例の制定を求める決議を提案することを検討しているところです。
最後にまとめです。私なりに埼玉県職員としての24年間の行政経験を活かし、できるだけのことをしてまいりましたが、特に新型コロナの感染拡大が深刻化した状況にあっては、SNSや通信なので「お気軽に相談してください」とお伝えしても、面識がない人には相談しにくい(信頼・信用関係がない、自分でなんとかしたいという思いなど)こともあり、市民や事業者のお困りの状況が十分に把握できず、対策を講じることも難しい状況でした。
この状況を改善するためには、日頃から市民の皆様のお宅を訪問し、認知していただき、いざというときに相談していただける関係性を作っておくことが重要と考えています。
今後は、できるだけ多くの方にお会いし、お話しする機会を増やしていきたいと考えています。