北本市の子どもの権利相談窓口

北本市の子どもの権利相談窓口

北本市では、議員提案により『北本市子どもの権利に関する条例』が制定され、令和4年10月1日に施行となりました。埼玉県内市町村で条例に基づく子どもの相談・救済機関(公的第三者機関)を設置しているのは北本市だけです(令和5年3月時点)。

北本市の子どもの権利相談窓口には、2人の子どもの権利擁護委員(弁護士と大学教員)と3人の相談員がいます。擁護委員は子どもの権利の専門家です。学校や教育委員会からも独立しているので、学校や先生に不信感がある人でも(ある人こそ)安心して相談することができます

困ったとき、苦しいときは、子どもの権利相談窓口に相談を

不適切な指導に限らず、いじめやいじり、親や友だちとの関係などで、困っていたり、苦しんでいたりする場合は、北本市子どもの権利擁護委員に相談してください。

北本市子どもの権利に関する相談窓口
https://www.city.kitamoto.lg.jp/soshiki/somu/jinken/gyomu/jinken/kodomonokenriyougo/14328.html

学校における不適切な指導

学校において体罰が禁止されていることは、多くの人がご存知だと思います。体罰をする先生はかなり減っていると思いますが、一方で体罰には至らない「不適切な指導」を行う先生は少なくないと思います。不適切な指導とはどういったものでしょうか。

令和4年12月に文部科学省が公表した『生徒指導提要』には〔不適切な指導と考えられ得る例〕として、次のように示されています。

  • 大声で怒鳴る、ものを叩く・投げる等の威圧的、感情的な言動で指導する。
  • 児童生徒の言い分を聞かず、事実確認が不十分なまま思い込みで指導する。
  • 組織的な対応を全く考慮せず、独断で指導する。
  • 殊更に児童生徒の面前で叱責するなど、児童生徒の尊厳やプライバシーを損なうような指導を行う。
  • 児童生徒が著しく不安感や圧迫感を感じる場所で指導する。
  • 他の児童生徒に連帯責任を負わせることで、本人に必要以上の負担感や罪悪感を与える指導を行う。
  • 指導後に教室に一人にする、一人で帰らせる、保護者に連絡しないなど、適切なフォローを行わない。

いかがでしょうか?体罰は受けていなくても、未だに不適切な指導を受けている人はたくさんいるのではないでしょうか。『生徒指導提要』には上記の例に続き、つぎのように書かれています。

また、たとえ身体的な侵害や、肉体的苦痛を与える行為でなくても、いたずらに注意や過度な叱責を繰り返すことは、児童生徒のストレスや不安感を高め、自信や意欲を喪失させるなど、児童生徒を精神的に追い詰めることにつながりかねません。教職員にとっては日常的な声掛けや指導であっても、児童生徒や個々の状況によって受け止めが異なることから、特定の児童生徒のみならず、全体への過度な叱責等に対しても、児童生徒が圧力と感じる場合もあることを考慮しなければなりません。そのため、指導を行った後には、児童生徒を一人にせず、心身の状況を観察するなど、指導後のフォローを行うことが大切です。加えて、教職員による不適切な指導等が不登校や自殺のきっかけになる場合もあることから、体罰や不適切な言動等が、部活動を含めた学校生活全体において、いかなる児童生徒に対しても決して許されないことに留意する必要があります。(生徒指導提要 105頁)

先生にとっては子どものためを思って厳しく指導しているつもりでも、子どもを追い詰め、学校を嫌いになったり、自分を大切にできなくなったりする恐れがあります。

不適切指導の加害者が、熱心で多くの生徒や保護者に人気がある先生だったということは少なくないのです。同じような指導でも、受け止め方は子どもによって様々です。後になって「まさかこんなことになるとは…」と思っても遅いのです。

学校から不適切な指導をなくし、子どもの権利を尊重した関わり方に変えていかなければなりません。

〔参考〕生徒指導提要(改定版)https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1404008_00001.htm