北本市議会令和6年12月(第4回)定例会に提案された議案のうち、予算・決算以外に関するものは条例3件、事件議決6件の計9件です。議案の概要と審査の結果についてお伝えします。
議案名をクリックすると議案(PDF)を見ることができます。
なお、令和6年12月定例会に提案された補正予算及び決算の認定に関する議案については、こちら(http://sakuraisuguru.jp/2024/12/19/r06-12hosei/)をご覧ください。
栄市民活動交流センターへの機能移転に伴い、健康増進センターを廃止する。施行期日は令和8年4月1日。
主な質疑
機能移転先の栄市民活動交流センターは令和7年6月に供用開始される。その後10か月も併存することとなるが、なぜ10か月も存続させるのか。
機能移転により規模が縮小するカラオケなどの利用者へできる限り配慮したいということ。また、指定管理受託者の職員の雇用形態の激変緩和措置で、現在の指定管理期間の満了に合わせた 。指定管理料については協議の上、減額させていただく方向で対応する。
移転前と移転後で機能や面積の比較は。
健康増進センターで利用している本館は 766㎡で、カラオケがある大広間や囲碁等を
備えた娯楽室、健康相談室、茶室、会議室がある。移転先には専用の会議室はなく、隣の部屋などを借りる形となるため一概に比較はできないが2部屋で144㎡となる。各種高齢者に関する相談や教養講座など引き続き実施したいと考えているが、囲碁・将棋、カラオケは移転先では専用の場所の確保が困難なため、曜日ごとでの利用や高齢者ラウンジに空きがない場合には他の公共施設の予約支援を行いたいと考えている。
屋外ゲートボール場は存続してほしいという声も多い。今後は。
議会の一般質問等でも子どもを含めた多世代の利用を要望されているが、建築から約 31 年が経過し老朽化が進んでいるため、継続して使用するためには追加の修繕工事等が必要となる。関係課と引き続き協議を行い、財政状況等も踏まえた上で、最終的な方針を決定していきたいが、健康増進センターとして全面的に廃止となるため 、屋内ゲートボール場を含めた跡地の活用については 別途条例等を提案したい。
桜井の賛成討論
- 栄市民活動交流センターへの機能移転により健康増進センターが廃止されるが、10か月もの間、併存することとなる。指定管理期間が残っているから施設を存続させるという理由は本末転倒。コミュニティセンターは併存期間がなく市の考え方も矛盾している。
- 現指定管理者が、機能移転後の栄市民活動交流センターの高齢者ラウンジの業務も請け負う場合には、指定管理者の見直しの協議が不可欠である。
- 屋外施設(ゲートボール場)は、廃止の方針が示されているが存続の要望も多い。近隣の公共施設を含めた再編について、地域住民や利用者の意見を聴き、長期的な展望をもって、跡地利用を検討していただきたい。
地方税法施行令の一部改正を踏まえ、国民健康保険税の課税額の限度を改正するもの。施行期日は令和7年4月1日。
具体的には、後期高齢者支援金等課税額を22万円から24万円に2万円引き上げる。基礎課税額(医療分)と介護納付金課税額を含む合計の賦課限度額は、104万円から106万円となる。
主な質疑
賦課限度額の引き上げを行う理由は。
国では、高齢化や医療の高度化等に伴う医療費の上昇傾向が想定されるという中で、国保の納税義務者のうち、中間所得層といわれる被保険者等に配慮しつつ必要な保険税収入を確保するため、地方税法施行令において国民健康保険税の課税限度額の引上げを行った。
課税限度額を引き上げる際に目安として、被用者保険の法令上の根拠を基準にしている。健康保険法第40条第2項において、最高等級の標準報酬月額に該当する被保険者の割合が0.5から1.5%の間との定めがあり、国保でもこれを援用し、課税限度額に超過する世帯が1.5%に近づくように年々段階的に引き上げることとしている。
賦課限度額引上げの対象となる世帯数と税収への影響は。
改正前、賦課限度額に到達していた世帯は141世帯。改正後は123世帯となる。影響額は264万円の増を見込んでいる。
引上げ理由について、中間層の負担に配慮するためと説明があった。配布された参考資料では、賦課限度額を引き上げることにより、中間層の税率を引き下げる効果があるように見えるが、引き上げによる影響額はわずか264万円で、実際には中間層の税率には影響しないのではないか。
国の説明と同様の説明をしたが、本市においては課税限度額引上げによる税率引上げの抑制効果が低いのは、ご指摘のとおりである。しかし賦課限度額以上の高所得層の税率を据え置き、中間層だけに負担を強いることになるため、賦課限度額の引き上げは必要と考える。
令和7年度は税率を引き上げる予定はあるか。引き上げるのであれば、賦課限度額の引上げだけを先行して行うのはなぜか。税率引き上げとともに議論すべきではないのか。
税率は、年明けに県から示される本算定結果を踏まえて検討する。税率の改定に関してその要素の一つとなる賦課限度額を確定させたうえで、具体的な検討を行いたいと考え、先行して提案した。
桜井の賛成討論
- 国の説明をそのまま改正理由として述べるような安易な説明をするのではなく、本市の実態に合わせた提案理由を説明するのは、議案を提出する執行部として当然の義務。
- 物価・医療費・給与水準の上昇に合わせて賦課限度額を引き上げることや、中間所得層のみに負担増を強いるのではなく高所得層にも公平に負担を求める観点から、賦課限度額の引き上げは必要。
地区公民館等の利用料金の上限額を再算定する等するとともに、既定の整備をするもの。
料金再改定の内容
主な質疑
6月定例会で料金改定の条例案が可決された後、市民の方からお叱りの声を多数いただいた。執行部にも多くの意見が届いているのではないか。どのような意見があったか。
今回の提案に当たり、中丸公民館の卓球利用については利用料金の上限を下げるために利用者とも協議して、利用形態を4面から6面に見直した。また端数処理についても、10円未満の端数が出ないように改正した。市民や指定管理者の意見を踏まえたものであるが、本来は議案をして上程する前にやっておくべきことではなかったか。もっと丁寧に進めるべきだったのではないか。
桜井の反対討論
- 料金改定においてパンフレットを元に計算するというのは考えられないミス。今後はこのようなことがないようにしていただきたい。
- 中丸公民館ホール(卓球利用)と10円未満の端数処理については、算定誤りの改正に合わせ、利用者や指定管理者の意見を改めて反映させたもので、一部改善が図られたものだが、本来は当初の改正案提案の前に行っておくべきこと。
- 改善はあったが、私自身は当初の改正案に反対しており、その議案を元にした改正案に賛成することはできない。
障害児学童保育室の指定管理期間の満了に伴い、新たに指定管理者を指定する。
1 公の施設の名称
北本市障害児学童保育室
2 指定管理者として指定するもの
北本市栄1番地1
特定非営利活動法人すきっぷ 理事長 吉村史朗
3 指定の期間
令和7年4月1日から令和10年3月31日まで(3年間)
採点結果
主な質疑(健康福祉常任委員会)
なぜ指定管理期間が3年間なのか。
本来なら5年。更新に当たり検討したが、現在の指定管理事業者の意見、社会状況等の変化への対応ができるようにするため3年とした。障害児の福祉サービスの報酬改定も3年ごとで改定内容を適切に反映できるなど、総合的に判断した。
指定管理料が大幅に引き上げられた要因(260万円→380万円)は。
人件費の増加が約97万円、物価上昇による燃料費や消耗品費の増が約23万円である。
学童保育室の指定管理期間の満了に伴い、新たに指定管理者を指定する
1 公の施設の名称
中丸学童保育室、中丸第二学童保育室、南学童保育室、西学童保育室、西第二学童保育室、東学童保育室、東第二学童保育室、石戸学童保育室、石戸第二学童保育室、北学童保育室、北第二学童保育室及び中丸東学童保育室
2 指定管理者として指定するもの
北本市北本3丁目141番地2 大島ビル2階
特定非営利活動法人北本学童保育の会うさぎっ子クラブ 理事長 青栁恭義
3 指定の期間
令和7年4月1日から令和10年3月31日まで(3年間)
採点結果
主な質疑(健康福祉常任委員会)
全学童を一括で指定しているが、例えば高崎線の東西で分割するなどの検討は行ったか。
都市公園を東西に分けて指定したときに、指定管理者によって業者の仕事に大きな差が出て、一括に戻したことがあった。学童保育でサービスに大きな差が生じることを避けるために、一括とした。
桜井の討論
学童保育室の指定管理者の選定に当たり引き続きNPO北本学童保育の会うさぎっ子クラブを随意指定すること等を求める請願が今年第1回定例会で採択されたにも関わらず、市長決裁に過ぎないガイドラインを根拠として、画一的に、公募を導入したことは、市民の意思や議会の決定を軽視するものであり大変遺憾。
結果として、現指定管理者のうさぎっ子クラブが選定されたものの、点差はわずか18点。評価方法にも疑問が残る。
選定委員会委員の質問は外形的なものばかりで、どうやって子どもたちの権利保障を図りながら健全育成を図るのかといった最も重要な『保育事業そのもの』に関する質問はほとんどなかった。選定委員に専門的な知見がある人がいないことの弊害が生じていると言わざるを得ない。
学童保育事業が指定管理者制度に馴染まないということは、私が議員になる以前からずっと言い続けている。
学童保育室や公民館といった公の施設が何のためにあるのか、どのような形で管理運営することが利用者や地域住民のためになるのか、そのためにはどういった制度を活用するのが最適なのかということをゼロベースで検討するべきであることを、改めて申し上げる。
事業者には十分な実績があり問題はない。期間について、本事業が安定性・継続性が重視される事業であるにも関わらず、指定の期間を3年間としたことについては残念だが、指定管理者としてうさぎっ子クラブを指定することに関しては異議がない。
地区公民館等の指定管理期間の満了に伴い、新たに指定管理者を指定する。
1 公の施設の名称
北本市南部公民館、北本市立南部集会所、北本市東部公民館、北本市立東部集会所、北本市西部公民館、北本市立西部集会所、荒井公園、北本市北部公民館、北本市立北部集会所、北本市中丸公民館、北本市立中丸集会所及び北本市学習センター
2 指定管理者として指定するもの
北本市本町1丁目47番地1
一般社団法人北本市コミュニティ協議会 代表理事 田島和生
3 指定の期間
令和7年4月1日から令和12年3月31日まで(5年間)
採点結果
主な質疑(総務文教常任委員会)
現在は8施設の管理だが、新たな期間は何施設か。指定管理料への影響は。
勤労福祉センターとコミュニティセンターが廃止されるので6施設となる。指定管理料としては現在とほとんど変わらないが、人件費や光熱費が高騰しており、1施設当たりの管理料が高くなるのはやむを得ない。
施設数が減るということは職員の数も減るのか。
前回の提案では館長等の嘱託が17人、一般事務が34人だったが、今回は館長等が12人、一般職員が24人となる。
桜井の討論
共生社会の実現に向け、地域コミュニティが果たす役割は大変大きく、地域コミュニティの結束を強める、さらには、地域住民が主体的に問題意識を共有して解決策を考えていくことが必要な時代であり、その一端を担うのが公民館だが、公民館やコミュニティの在り方そのものについての議論が不十分と感じている。
喫緊の課題であるとともに長期的な課題でもあり、公募による選定を行うという判断は、この公民館の重要性を理解せずに軽視をしたものと言わざるを得ない。
一般社団法人北本市コミュニティ協議会を指定する議案には異論はないが、地域共生社会の実現に向けて地域コミュニティの果たす役割を明確にし、そのための施設や事業の在り方をしっかり検討することを求める、ということを3年前の討論で申し上げたが、全く聞き入れられなかった。
公民館の今後の在り方について、このまま教育部が所管すべきなのかということも含めて議論をしていただくことを強く要望する。
工藤議員の反対討論
公共施設マネジメントにおいて公の施設の統廃合・再編成に向けて、また社会教育施設の有効活用の観点から、指定管理から直営にすべきとの理由です。
栄市民活動交流センターの供用開始に伴い、新たに指定管理者を指定する。
1 公の施設の名称
北本市栄市民活動交流センターのうち、北本市勤労福祉・コミュニティセンター、北本市市民公益活動支援センター、北本市高齢者ラウンジ、北本市保健センター、北本市立教育センター、コミュニティ広場及び駐車場、通路その他の共用施設
2 指定管理者として指定するもの
北本未来づくり共同事業体
代表構成員:埼玉県鴻巣市逆川1丁目2番2-502号
街活性室株式会社 代表取締役 斎藤 徹
構成員:北本市西高尾1丁目249番地
特定非営利活動法人北本市観光協会 理事 安江 洋
構成員:北本市本宿1丁目1番地
株式会社イナホスポーツ 代表取締役 丸笹公嗣
構成員:埼玉県さいたま市浦和区岸町7丁目12番4号
株式会社サイオー 代表取締役 橋本一憲
3 指定の期間
令和7年6月1日から令和11年3月31日まで
採点結果
主な質疑(総務文教委員会)
市内経済の活性化、地域との連携が図れるものとして、具体的にどのような提案があったのか。
市内経済の活性化は、街の名産品や、特売品の展示コーナーを施設内に開設したり、SNSでの情報発信などを行う、施設内にコワーキングスペースを設置したり、創業に関する交流や講座を実施して、地域に根強く愛される施設づくりを目指すという提案をいただいている。地域との連携は、駅の西口側の活動交流拠点として、施設職員がコーディネーターとなって周辺施設と一緒にまちづくりを推進する。市民や地域との連携・協働を行いながら、人から人へと活動、交流の輪を充実する、施設運営に関して運営委員会を設置して市民の方が積極的に参加する施設運営を目指すという提案をいただいている。
桜井の討論
複合施設であり、その管理運営には単なる公の施設の管理を超えた知見やビジョンが必要。多くの活動実績がある街活性室株式会社、北本市観光協会、株式会社イナホスポーツ、株式会社サイオーの4社を構成員とする北本未来づくり共同事業体は、新たな施設の指定管理者にふさわしい団体である。
市内の様々な団体や活動と連携し、本施設の目的である「市民の楽しみ及び生きがいのある暮らしを支援するとともに、様々な人が未来に向かって集い、つながる場を提供し、もって市民福祉の向上に寄与」していただくことを期待する。
健康増進センターから機能移転する高齢者ラウンジの運営業務は、条例により本指定管理業務から外れているが、募集要項には「直営(業務委託)」と記載されていた。複合施設とはいえ、指定管理者制度と業務委託が併存するのは、指定管理者制度の主旨を歪める恐れがあり、違和感がある。将来的に指定管理業務に含めることも検討いただきたい。
工藤議員の反対討論
条例制定時には議長で裁決に加わっていないが、条例改正や補正予算では反対した。事業そのものを抜本的に見直すべきという立場。市の直近の重要課題解決に向け、地域経済産業、単身者のグループホーム等の福祉を目的とした用途に変更すべき。市の中心部に経済産業ゾーンができることが期待される。所管が教育部なのも疑問。施設の内容が混在しているのに教育部に丸投げしていることは組織運営上問題がある。公の施設の設置管理の責任は市長にある。指定管理者に丸投げすることは許されない。議会は議事機関。私一人の反対でも可決すれば機関意思。それでもあえて反対の意思を表明する。
外構工事等で舗装の撤去を実施したところ、既存の路盤の厚さが大型車両の通行に適さないものであることが判明したこと等に伴い、工事内容の変更が必要となり、設計内容に変更が生じたため、工事請負契約の変更契約を締結する。
1 契約の目的
北本市栄市民活動交流センター整備改修工事「建築」
2 変更前の契約の金額 386,870,000円
3 変更後の契約の金額 403,700,000円(1,683万円増額)
4 契約の相手方
北本市宮内5丁目351番地
丸和工業株式会社 代表取締役 矢部利人
主な質疑
なぜ変更契約に至ったのか。なし崩し的に追加修正するのはいかがなものかと考えるが、業者の見積り作成に問題があったのか、市側に見積り依頼内容に問題があったのか。
設計当時や改修時の図面、現地確認等を行って改修工事設計に反映させる。壁の撤去後や基礎の掘削後などに、設計状況と異なっている場合もある。設計段階では予期できない特別な状態が生じることがある。今回は設計時には目視できなかった箇所を主な変更対象としており、予測困難だった。金額は、県積算基準に従って計算し、請負比率などを勘案して算出しており、適切である。必要最小限度の変更であり、業者にも市にも問題はない。
工事の変更内容や金額は、施工業者から一方的に示されたものではなく、施工業者と市で協議の上、決定したものか。
そのとおり。
1 財産の種類 物品
2 財産の内容
北本市栄市民活動交流センター共通備品(机類、椅子類等)一式
3 取得予定価格 31,009,000円
4 契約の相手方
埼玉県桶川市寿1丁目9番18号
株式会社高砂屋書店 代表取締役 天沼 満