市民説明会の概要
新ごみ処理施設整備の白紙解消に関する市民説明会
日時 令和2年8月24日(日)10時~
会場 北本市文化センター 第1・2会議室
鴻巣市、行田市、北本市の3市で進めていた新ごみ処理施設整備について、令和元年12月12日に3市長により白紙解消が決定されたことを受け、北本市議会として開催を求めていた市民説明会が開催されました。
※令和2年第1回定例会における決議(桜井が提出者代表)
当日配布された資料と会場における質疑応答の概要について掲載します。
当日配布資料
こちらからダウンロードできます。2020.8.24 市民説明会資料(pdf)
※スキャンしたものなので画質が良くありません。申し訳ありません。
資料の後半に、白紙解消後の検討状況についても記載されています。
質疑応答の概要
中部環境の延命化について、どの程度延命できるのか。
(市長)令和元年3月定例会の議会で、1炉1億円の修繕で7年間くらいと答弁されている。これが公式な見解。管理者に聞いたところでは10年くらい保つのではないかと聞いている。
白紙解消になった原因はどこにあるのか。
(市長)構成市間で財政負担の話し合いが十分に行われず、決まってから説明を受けた。建設地の決定についても、決まった経緯を説明しきれていなかったと感じていた。
3市合意が白紙撤回になったということは、軟弱地盤で水害の恐れもある安養寺地区に建設することは一切考えないと理解していいか。
(市長)市の方針はお示しできる状況ではない。市民の皆様に説明できる、説明責任を果たせる状況ではない。
鴻巣行田北本環境資源組合から北本市から脱退したということは、鴻巣市と行田市との関係はどうなっているのか。
(環境課長)行田市と鴻巣市の吹上地区で組合を構成し、行田市の焼却施設(小針クリーンセンター)でごみ処理しているため、北本市が抜ける形となった(元の形に戻った)もの。
白紙解消後、庁内委員会を設置して、結果を今年3月に市長に報告したとのことだが、その後何をやっているのか。
(副市長)市長から「あらゆる可能性の検討」するよう指示があり、現有施設での延命・建替え、北本市単独での建設、広域処理(鴻巣市と、鴻巣・桶川市と、吉見町も含めてなど)、完全に民間委託、民設民営、香川県三豊市の方式(トンネルコンポスト)、メタン、バイオマスなど、さまざま処理方式のメリット、デメリット、財源など検討してきた。市としてここ1,2年の間に政治決断が必要と考えている。また、鴻巣市から実務者レベルで勉強会を始めましょうという申し出が来ている。今月末までに参加可否の回答を求められている。桶川市もごみ処理広域調整担当を設置し、検討を始めている。様々な検討を行い、市民の意見を聴きながら進めていきたい。
北本市として、新ごみ処理施設の建設について説明会をしたことはあったか。
(環境課長)北本市として単独で説明会を開いたことはない。(副市長)今までは一部事務組合が説明していたが、今後はできるだけ市民の意見をいただきながら進めていきたいと考えている。
市と市民が対立するような説明会は良くない。一緒に考えて、造っていくことが必要。そのためには具体的に説明するなど、丁寧にやって欲しい。白紙解消になった理由として、安養寺地区について検討する場合には、すでにある資料・データを無駄にせず、活用していただきたい。
(市長)各市の財政力を考慮した負担できる上限額を踏まえずに検討が進んでしまったように思う。ごみ処理方式も異なったままだった。そういったことも含めて話し合っていく必要がある。
鴻巣市は安養寺を前提に勉強会をやろうと考えているのではないか。勉強会の内容も公開すべきではないか。
(副市長)鴻巣市からの勉強会は事務レベルのもの。安養寺にするのか、しないのかを含めた勉強会になると思う。公表できるものは積極的に公表していきたい。
候補地(安養寺)の検証もないままに進めてきたことが問題で、このままでは同じことになる。北本市単独で小規模の施設とするべきではないか。
(副市長)安養寺ありきではないので、安養寺を含めて検討していく。北本市の方針と合わなければ勉強会から抜けることとなる。単独で整備することも一つの考え方である。最終的には政治判断だが、それまでに市民の皆さんから意見を聴いていきたい。
同じ轍を踏まないように、なぜうまくいかなかったか(白紙解消になったのか)、原因を究明し、反省してほしい。
(市長)しっかりと原因を究明し、同じ轍を踏まないように進めていきたい。市民に説明ができないような内容であってはいけないということを一番に考えている。市長としての考え方を述べさせていただければ、市としては、適正に安定してごみを処理することが最大の責務。生態系、緑の保全、環境保護の観点から、何でも燃やす、溶かす処理方法には疑問を持っている。国はSDGs、持続可能なまちづくりを目指す社会を推進している一方で、ごみ処理施設は広域化・大型化を進めており矛盾を感じている。新しいごみ処理施設は、極力費用を抑え、環境負荷が少なく、安心・安定して処理できることを基本に進めてまいりたい。当面は埼玉中部環境センターの延命化が最優先の課題。みなさんのご意見を聴きながら、市民の皆様に納得できる方針を定めたい。
寄居町の資源循環工場の環境調査を行っているが、水銀やダイオキシンが検出されている。燃やすことが周辺住民にどういった影響を与えるか、よく考えていただきたい。できるだけ燃やさない方法で、税金を使わない、環境に配慮した施設を造っていただきたい。
(市長)ダイオキシン、CO2、マイクロプラスチックの問題など顕在化してきた。持続可能なまちづくりを考えてまいりたい。
鴻巣市から勉強会のお誘いがあったようだが、その前に総括が必要。また、安養寺(での建設)についてもイエスかノーかはっきりすべき。北本市としては総括した上で、今までこのような過ちがあったから、安養寺やめますと言えば、北本市は素晴らしいまちだと思います。
(副市長)安養寺で良いかどうかについては、まだ回答が出ていない。極力費用を抑えるという点は全く同意。三豊市の方式も検討の一つであり、勉強会でも推していきたい。ごみ処理施設は土地が決まると8割方決まるイメージだが、どういった土地で、どういう問題点があるのか十分総括して、回答する。なるべくお金を掛けない、燃やさない方法も検討していきたい。(市長)(白紙解消になる前に)行田市から、行田市に建設した場合の費用も提示されたが、これまでの広域連携の実績や北本からの収集運搬費、行田市が市民説明もできていないことなどの課題があった。しかし安養寺についても回を重ねるごとに金額が高くなっていった。あの時点では白紙解消はやむを得なかったと考える。今は安養寺をやめる(安養寺では建設しない)ということを示す段階ではない。
なぜ安養寺がダメだったのか総括すべき。土地が軟弱でいつ倒れるかわからない。なぜそんな場所を選ぶのか。勉強会に誘う前に、鴻巣市も総括が必要。また、三豊方式の勉強会はどういう目的で行い、三豊方式についてどのような検討を行ったのか。私の持論としては、自分たちのごみは自分たちで処理する「自区内処理」とすべき。反対運動を怖がらずに、市内で土地を探し、市民を説得することが行政の仕事ではないのか。
(副市長)焼却以外の方法について検討していたところで、三豊方式を知り、事業者に説明していただいた。トンネルコンポストでごみを半分に減量化したうえで、固形燃料にする取組だが、その燃料を活用する(固形燃料を買い取ってもらう)ところまでセットでないと普及が難しい。環境には良いものと考え、勉強会を開催した。今日も皆さんの意見を聴いて大変参考になっている。今後も市民の声を聞きながら進めていきたい。
燃やす方法だけでなく、燃やさない方法についても十分に検討していただきたい。市議会において、市長は北本市ごみ減量等推進市民会議(ごみ減)の協力を得て進めたいと答弁していたが、具体的にどう進めるのか。
(環境課長)こちらからは、ごみ減にもいろいろな処理方式について勉強していただきたいということをお願いした。(副市長)執行部でも事務レベルで協議しているが、ごみ減でも話し合いをしてほしいとお願いした。色んな案を持ちながら、市民の皆様にも情報提供してまいりたい。
ごみ減に意見を述べる機会を与えていただきありがたい。新ごみ処理施設の建設は非常に大きな問題である。まずは市長として、単独なのか広域なのか、道筋を示すことが大事ではないか。トップが決めないと進まない。まずは大方針を打ち出していただきたい。
(副市長)ごみ処理は一日たりとも止められないので十分に検討する必要がある。今ここで単独か、広域かを決めることは難しい。大きな自治体ならば単独でも可能だが、国からはなるべく広域でやる方針が示されている。勉強会に参加して、色々な処理方法についても検討したい。単独で処理をしていた桶川市も広域化の検討を始めた。市長でもこの場での決断は難しい。ご理解いただきたい。
新しいごみ処理場をいつまでに造るか目標がないから進まない。きちんと意見を聴きますというが、目標も計画も示されていない。安養寺で建設した場合に掛かる費用を考えれば、民間に処理委託した方が安くできる可能性もある。まずは大きな日程表を組んで、市長や職員が替わっても変わらず進められるベクトルを決めるべきではないか。
(副市長)ご指摘のとおり大きな日程を決めることが重要。民間委託についても検討したが、民間に出せばコストが下がる一方で、破産や契約更新時のリスクもある。吉見の焼却炉があと10年なので、なるべく早く政治決断をしていただき、進むべき方向性を見つけるのが良いと考える。
市民の声を聞くとのことだが、有力な市民の代表は自治会。市が考えた案を自治会長に示し、意見を聴いてはどうか。議会に諮って決めていくことも大事。北本市として揺らぐことのない大方針を決めて、後はまっすぐに進んでほしい。
(市長)市民への説明もあるが、市民に説明できるかどうかがポイントだと考えている。いきなり声を聴くのも一つの手だが、きちんと「これならば市民や議会に納得してもらえるだろう」という案を作ることが大切だと考えている。
安養寺に建設することが前提であれば、鴻巣市の勉強会への参加をすべきではない。参加するのであれば、なぜ安養寺がダメなのかを示したうえで、一定の条件を示して参加すべきである。しっかり総括して、北本市としての態度を決めて臨んでほしい。
(市長)市民の皆様に説明できないような勉強会であってはならない。条件を示すかどうかについても内部でしっかりと議論したい。
北本市一般廃棄物処理施設整備等庁内検討委員会
令和2年8月27日の北本市議会全員協議会において、執行部からごみ処理施設整備に関する検討経過について報告がありました。これは庁内で検討し、その結果を市長に報告したものであり、北本市として方針を決定したものでも、公式見解でもありません。参考程度にご覧ください。
全員協議会で議員に配布された資料
『今後のごみ処理施設について』
(要旨)
・中部環境センターの大規模修繕による延命化が最優先課題。
・北本市、鴻巣市を含む複数の自治体での広域化の検討が必要。
・公設公営、公設民営のほか民設民営も考えられる。
資料1 今後のごみ処理施設に関する枠組み等のメリット・デメリット
資料2 ごみ処理広域化(枠組み決定まで)の想定スケジュール(案)
資料3 施設整備スケジュール(建設候補地が決定している場合)
資料4 ごみ処理施設に関する各枠組みにおける建設費負担割合等
資料5 主なごみ処理施設の概要
資料6 広域処理に向けた基礎調査(広域化方針)報告書