令和2年第2回定例会において設定された【議会改革特別委員会】に付託され、約一年間にわたり審査をしてきた「議会の活性化、議会組織機能、議会運営等の議会改革に関する調査・研究」について、令和3年4月12日に第14回の委員会を開催し、審査が終了しました。
令和3年5月24日に開催された第3回臨時会で委員長が審査の終結を報告しましたので、この間の活動について報告します。委員長の最終報告は、下のリンクからご覧いただけます。
特別委員会における議論を経て実現したもの
1.予算決算常任委員会の設置
北本市議会では予算・決算の議案を3つの常任委員会(総務文教・健康福祉・建設経済)に分割付託をして、審査をしていましたが、行政実例において一つの議案を分割して付託することはできないとされていることから、この方式を改め、令和2年9月定例会において予算決算常任委員会を設置しました。
予算・決算議案については、補正予算を含め、予算決算常任委員会に設置した3つの分科会(総務文教・健康福祉・建設経済=各常任委員会と委員は同じ)で審査。分科会後の予算決算常任委員会(全体会)において分科会長による報告、分科会長への質疑、討論、採決を行うこととなりました。
予算・決算の審査をするときだけ「常任委員会」ではなく「分科会」に看板を付け替えるだけのように見えますが、予算案の修正においてはこれまで委員会を跨る修正があった場合に委員会間で調整が必要だったものが、予算決算常任委員会において審査、採決すれば足りることとなり、あるべき形になったと実感しました。
これは私見ですが、分科会での質疑が不十分だった場合、又は分科会に出席する職員(部課長)の答弁では不十分だった場合に、全体会において市長・副市長・教育長の答弁を求めることができるようになればなお良いと考えていますが、これは今後の検討事項となっています。
2.委員会会議録の公開
令和3年第1回定例会から委員会の会議録を公開することとなりました。当面はPDFファイルを市議会ホームページに掲載することとし、令和4年2月1日以降は本会議同様、会議録検索システムに掲載することとしました。
見送りとなったもの
1.通年議会制の導入
通年議会制を導入することによるメリットとしては「必要に応じてすぐに議会が開けること」が考えられます。北本市議会においては、令和2年5月に新型コロナウイルス対策に係る予算を増額補正するに当たり、臨時会を開くべきか、市長が専決処分を行うべきかで議論がありました。
検討の結果、「市長専決の多発など懸念される事項はあるものの、本市の状況に鑑みれば、その懸念を通年議会制によって抑止するのではなく、執行部と議会との信頼関係により適切に臨時議会が開催されるべきであり、現時点で導入の必要性は低い」との意見が多数を占めました。
したがって、通年議会制については当面の間、本市議会への導入を見送ることに決定しました。
2.議会ライブ配信
本市の議会録画配信の視聴回数が、近隣他市の議会中継視聴回数を比較してかなり少ないことから、ライブ配信が費用対効果の面では直ちに導入する必要性は低いと考えました。
まずは議会広報の充実を図り、現在の録画配信の視聴数を増やす取組を進め、視聴数の増加とライブ配信へのニーズが高まった時点で再度導入を検討するとの結論を出し、ライブ配信の導入を当面の間、見送ることに決定しました。
今後に向けて
私は第1回の特別委員会において早稲田大学マニュフェスト研究所による議会改革度調査の結果を資料として提出し、当該調査において本市議会の評価が低い項目の改善を図ってはどうかと提案しましたが、採用されませんでした。
議会改革と一口にいっても、広報及び広聴に係る取組は議会広報広聴委員会が、議会運営に関する取組は議会運営委員会が担当します。実際に、広報広聴に係る取組については、議長から議会広報広聴委員長に改善を求めていたようですが、議会広報広聴委員会で議論されることはありませんでした。
今回、議長・副議長・各委員会委員の改選があったため、とりあえず第1次の議会改革特別委員会は審査を終了しましたが、新しく議長となった工藤日出夫議員は、議長選挙に当たっての所信表明において、様々な改革を行うことを述べました。
私自身も議会広報広聴委員会の一員として、議会報告会をはじめとした広報・広聴の改善が必要であると認識しておりますので、「自ら議会改革を推し進め、議会の権能を更に高めていくことを決意」した北本市議会基本条例の理念に基づき、議会改革を進めていきたいと思います。