北本市議会では令和3年度から2年間、3つの常任委員会(総務文教・健康福祉・建設経済)において、それぞれテーマを決めて活動をしました。
私が委員長を務めた健康福祉常任委員会では『いわゆるごみ屋敷の現状と課題について』をテーマとして活動を行い、令和5年第1回定例会に委員会として『不良な生活環境の解消及び発生の防止を図るための措置を求める決議』を提案し、全員賛成で可決されました。
健康福祉常任委員会は、令和3年6月17日と7月6日に協議会を開催し、活動テーマについて協議し「いわゆるごみ屋敷の現状と課題について」とすることに決定しました。
いわゆるごみ屋敷については、外見上は環境衛生の問題ですがごみ屋敷化の原因は認知症や精神疾患であることが多く、ごみを片付けるだけでは解決できません。昨今、多くの自治会長さんや民生委員さんからも相談が寄せられています。複数部局にまたがる解決困難な課題であり、高齢化の進行により今後も増加が予想されることから、その解決策について検討を行うこととしました。
健康福祉常任委員会では協議会を7回開催し、検討を重ねました。
令和3年11月には、庁内の関係各課(福祉部福祉課・障がい者福祉課、健康推進部高齢介護課、市民経済部環境課、都市整備部都市計画政策課)から市内のごみ屋敷の状況、市民からの苦情・問い合わせ等の状況、具体的に対処した事例などについて聴き取りました。
令和4年5月には、地域包括支援センター、訪問介護事業所、障がい者相談支援事業所、北本市社会福祉協議会、集合住宅の管理組合、一般廃棄物処理事業者などを訪問し、いわゆるごみ屋敷の発生状況や対処の状況について聴き取り調査を行いました。
令和4年10月には、健康福祉常任委員会の行政視察として愛知県豊田市を訪問し、豊田市における条例制定の経緯や現状の取組について調査を行いました。
以上の調査結果を踏まえ、北本市議会令和5年第1回定例会に健康福祉常任委員会として決議を提出する方針を決定し、決議案を作成の上、再度関係事業者に意見聴取を行いました。
決議の内容は、主に次の3点です。これらの措置を講ずるよう市長に求めるものです。
- 条例を制定すること。その際、福祉的観点から生活上の諸課題の解決を図ることを基本的な方針とすること。
- 組織、人員及び予算の確保を図ること。
- 行政、支援機関及び地域住民が連携・協力して取り組むこと。
決議は全員賛成により可決されました。市長からは「しっかりと取り組みたい。」との言葉をいただきました。
現在、北本市内では「タスケット北本」というボランティア団体が片付けの実働部隊として活動しており、多くの依頼が寄せられています(私と今関議員はタスケット北本のメンバーとして参加しています)が、1つのボランティア団体で処理するにはあまりにも件数が多く、また分別された廃棄物の処理の方法も大きな課題となっています。
条例の制定とともに、組織体制、人員、予算の確保が急がれます。