ふるさと納税による寄附金の増加に伴い、ふるさと応援寄附金を増額する。
寄附額の増額3.3億円に対し、歳出として返礼品費(寄附額の30%)9,900万円、収納業務手数料(2%)660万円、業務支援委託料(13%)4,290万円を増額し、残りの1億8,150万円をふるさと応援基金に積み立てる。
なお、12月に寄附が急増し、予算額が不足することのないよう、本補正予算は先議とする(11/29可決)。
主な議案質疑
Q.3.3億円を増額する根拠は。
A.10月末時点で4.8億円超の寄附を受け入れており前年度比40%増となっている。ふるさと納税の制度改正による駆け込み寄附が9月にあったことを踏まえ、年度末時点では30%増(11.1億円→14.4億円)を見込み、3.3億円の増額補正を行う。
主な内容
(仮称)中丸第二学童保育室建設工事設計業務委託 490万6千円
中丸学童保育室の混雑解消を図るため、第二学童の整備する。令和5年度は設計を行う。
http://sakuraisuguru.jp/2023/12/10/nakamaru2nd/
こども医療費の増額 7,780万5千円(2億4,555万7千円→3億2,336万2千円)
今年度上半期の利用実績が前年度から27.4%増加し、当初予算額が不足する見込みとなったため増額する。市外医療機関での窓口払い廃止やインフルエンザの流行などが要因と考えられる(コロナ蔓延中はインフルエンザ感染者数が極めて少なかった)。
障害児通所給付費の増額 2,207万1千円(2億1,561万円→2億3,768万1千円)
利用実績が前年度よりも大きく増加し、当初予算額が不足する見込みとなったため増額する。児童発達支援の支給決定人数が増加、市内の事業所数も増加している。
在宅重症心身障害児の家族に対するレスパイトケア事業補助金の増額 136万円(341万円→477万円)
利用実績が前年度よりも大きく増加し、当初予算額が不足する見込みとなったため増額する。利用者が増加するとともに単価の高いショートステイの利用が多かった。
学校教育の充実 195万円
中丸小学校の校内放送設備(チャイム)が老朽化により故障、使用できなくなっているため更新する(41万8千円)。また、南小学校のクラス増に伴い給食用食器類等を保管するための保管庫を購入する(153万2千円)。
施設入所委託料の増額 324万2千円(1,019万4千円→1,343万6千円)
虐待等やむを得ない理由で養護老人ホームに入所措置となった方が4名から6名に2名増加したため委託料を増額する。
コミュニティ協議会補助金の増額 500万1千円
コミュニティ協議会の事務所があるコミュニティセンターが閉館されることに伴い、事務所の移転に要する費用を補助する。移転先は北本市本町1丁目。内訳はリフォーム代399万1千円、引越費用38万6千円、不動産諸経費62万4千円。
道路緊急補修工事費の増額 1,070万円(4,580万円→1,070万円)
道路舗装に穴が開いた場合など緊急に補修が必要な場合の工事費について、当初予算額に不足が見込まれるため増額する。
郷土資料室移転事業 1,023万1千円
北本中学校旧校舎にある郷土資料室を旧栄保育所に移転する。旧栄保育所の改修設計費265万2千円、北本中旧校舎解体設計費698万9千円など。
後期高齢者医療広域連合負担金の増額 1,485万9千円(7億2,693万9千円→7億4,179万8千円)
広域連合において療養給付費が大きく増加し、当初予算額が不足する見込みとなったため、療養給付費負担金の増額が通知されたことによるもの。療養給付費負担金は1,697万4,815円増額、共通費負担金は211万6,080円減額。
国・県支出金返納金 5,057万4千円
令和4年度決算の確定に伴い国や県に返還する。
(債務負担行為)
広報きたもと配布業務 832万3千円
令和6年度の広報きたもとの配布をシルバー人材センターに委託する。令和6年4月から配布を実施するため、債務負担行為を設定し、年度内に準備行為を行う。
http://sakuraisuguru.jp/2023/12/12/kouhouhaifu-silver/
道路維持基盤整備事業 9,140万円
令和6年度に実施する道路工事について年度当初から実施するため、債務負担行為を設定し、年度内に準備行為を行う。
通学路など市道5路線について、路面の改修、舗装、路面表示などを行う。
債務負担行為とは…
数年度にわたる建設工事、土地の購入等翌年度以降の経費支出や、債務保証又は損失補償のように債務不履行等の一定の事実が発生したときの支出を予定するなどの、将来の財政支出を約束する行為。歳出予算は実際に歳出する年度に計上する。債務負担行為を設定することで予算計上を待たず入札や契約をすることができる。
桜井の討論
- 中丸学童保育室における混雑解消を図るため、中丸第二学童の整備に向けた設計費用が計上された。ここまで時間を要したが、改善に向けて大きく前進したことを評価する。
- 道路補修工事については1,070万円が増額計上された。道路の損傷に関する通報は多く、今でも迅速に対応していただいているが道路の損傷により事故が起こらないよう、引き続き迅速に対応していただきたい。
- その他計上されたものも、必要不可欠なものと評価する。
産前産後における国民健康保険税免除制度の創設(議案第73号)に伴い、免除相当額を一般会計から繰り入れるため、歳入(一般会計繰入金)を24.9万円増額する。増額分は財政調整基金に積み立てる。
なお、一般会計において、国庫負担金12.4万円、県負担金6.2万円を受け入れており、国・県・市の負担割合は国1/2・県1/4・市1/4となっています。
桜井の私見
産前産後における国民健康保険税免除制度の創設に伴い、国民健康保険税収入が減少し、減少した分は一般会計から繰入金で補てんすることとなるのだから、本来は歳出は補正せず、歳入の財源更正(税収を減額、同額の繰入金を増額)を行うべきと考えます。
補正予算の内容
電算処理業務委託料275万円:令和6年度介護報酬の改定(3年に1度)に伴うシステム改修委託料。
介護予防・生活支援サービス事業経費(訪問型・通所型サービス負担金)1,066万6千円:訪問型サービス及び通所型サービスともに利用者数が当初予算に見込みを上回り、予算額が不足する見込みとなったため、増額補正を行う(1億611万円から1億1,677万6千円へ10.1%増)。
介護予防ケアマネジメント事業経費165万5千円:利用件数が当初予算の見込みを上回り、予算額が不足する見込みとなったため、増額補正を行う(1,317万2千円から1,482万7千円へ12.6%増)。
包括的支援事業経費100万1千円:地域包括支援センターのうち寿苑の業務の増加に伴い人員増(非常勤の社会福祉士を1名増員し計6名に)及びPC増設を行う。
桜井の討論
- 今回の補正補正の背景には、高齢化の進行と、地域包括支援センターの認知度が上がり、相談やサービスに繋がる人が増えてきていることなどがあり、地域包括支援センターの人員の増員に係る予算も計上されている。
- 今回小久保議員の一般質問において、介護認定までの日数が平均で40日を超えている状況も判明した。
- これまでも努力していただいているが、最低でも原則どおり30日以内に認定できるようにしていただきたい。引き続き体制の強化を検討していただき、必要があれば補正予算又は来年度当初予算に計上するように。
補正予算の主な内容
給与改定等に伴う人件費の増額 8,579万円
給与改定の内容は、議案第81号、82号、83号をご覧ください。
物価高騰対策としての低所得世帯支援のための給付金 4億3,808万8千円
国の補正予算の可決に伴い、エネルギー・食料品価格等の物価高騰に対する支援として、重点支援地方交付金【低所得世帯支援枠】を活用し、住民税非課税世帯に7万円を給付する。
小・中学校給食費負担軽減事業 1億1,901万円
令和6年度の学校給食費について、小学校は物価高騰分(給食費の15%分・月675円)、中学校は給食費+物価高騰分の無償化を行う(国の交付金を活用する)。※市外の学校に就学する方の分を含む。
詳しくは、こちらのページで解説しています。
http://sakuraisuguru.jp/2023/12/12/r06kyushokumushouka-shukushou/
市民活動交流センター整備事業費の増額 4,795万8千円(5億3,966万円→5億8,761万8千円)
令和5年度に予定していた栄市民活動交流センターの改修工事について、3回入札を実施したもののいずれも不調となったため、積算及び工期を見直し、再度実施する。材料費・人件費の高騰により2,582万円、工期の延長により1,613万円の増額を見込んでいる。
農業災害対策特別措置事業補助金交付事業 52万5千円
干ばつ・高温による農作物被害(米)について、特別災害に指定し、一定の要件を満たす対象者に補助金を交付する。
主な議案質疑
Q.市民活動交流センターの増額補正の理由について、9月定例会では増額は不要と説明されたが、結局のところ入札が不調となり、増額補正が必要となった経緯は。
A.9月定例会後に予算の範囲内で単価見直しなど行い入札を2回実施したが、いずれも参加者がゼロだった。業者ヒアリングや庁内で検証したところ、①人件費・建設物価の増、②技術者の不足、③民間建築需要の増加、④工期が短い、などが入札不調の原因と判断した。今回は予算の増額だけでなく、来年度当初から工事を始めることで人材を確保するとともに、工期も延長し、入札に参加しやすいように改善する。
Q.小学校給食費の無償化は断念したのか。
A.(市長)令和6年度の予算編成中であり、予算編成の中で最終的に判断する。
Q.給食費負担軽減事業の財源は、国の重点支援地方交付金を活用するものだが、国からは物価高騰対策として年内の予算化を求めており、来年度の給食費無償化に使うのは交付金の趣旨に反するのではないか。
A.経済対策として早急な取組が求められており、物価高騰の影響は一過性のものではないことから、本市としては令和6年度の給食費無償化に活用すると判断した。
Q.物価高騰対策としての低所得世帯支援のための給付金について、対象世帯数、支給の方法、支給の時期について。
A.6,100世帯を見込んでいる。口座情報がある対象者には支給通知書を、口座情報がない対象者等には確認書を送付し、銀行口座に振り込む。2月中旬から支給できる見込みである。広報きたもと1,2月号や市のホームページで情報を発信する。
討論
工藤議員(反対討論)と桜井(賛成討論)が討論をしています。録画配信の2:53:00からご覧ください。
議案第87号 令和5年度北本市都市計画事業久保特定土地区画整理事業特別会計補正予算(第3号)
議案第88号 令和5年度北本市国民健康保険特別会計補正予算(第3号)
議案第89号 令和5年度北本市介護保険事業特別会計補正予算(第3号)
議案第90号 令和5年度北本市公共下水道事業特別会計補正予算(第1号)