北本市新型コロナ緊急対策パッケージ発表

5月25日に北本市版新型コロナウイルス感染症緊急対策パッケージが北本市から発表されました。今回はその概要についてお伝えします。

北本市では緊急支援策として4月24日に次の3つの柱からなる基本方針を打ち出しました。

これらの事業は、すでに段階的に実施をしています。今回、その総額が約5億円超となることが発表されました(これには一律一人10万円の特別定額給付金は含まれません)。

北本市記者発表資料(令和2年5月25日)

第1弾 4月30日に専決処分

第1弾は4月30日に国の補正予算が可決されたことを受け、特別定額給付金の支給事務を速やかに実行するため、市の補正予算(第1号)についても同日付けで専決処分されました(5月19日の臨時会において議会が承認)。

子育て支援臨時交付金(市独自)
総額1,134万6千円。児童扶養手当を受給しているひとり親等世帯に対し、支給対象の子ども一人に対し2万円を支給。5月11日に支給済み。

特別定額給付金(国)
総額66億2,670万円。基準日(令和2年4月27日)において住民基本台帳に記録されている者1人当たり10万円を世帯主に給付。北本市では電子申請は5月1日から受付を開始し、5月8日から支給を開始。また、5月20日から申請書による申請を受付け、5月27日から支給を開始する。

子育て世帯への臨時特別給付金(国)
総額7,315万円。子育て世帯の生活を支援するため、令和2年4月分の児童手当を受給している人を対象に、対象児童1人につき1万円を支給。手続きは不要。6月10日支給予定。

第2弾 5月19日の臨時会で可決

第2弾は5月19日の市議会臨時会において補正予算(第2号)として可決されました。

お家で読書 豊かな心を育む読書推進事業
1,549万9千円。臨時休校中の学習支援の一助となり、読書の習慣を持つきっかけとなるよう、市内の小中学生(特別支援学校を含む)に図書1冊と図書カード1,500円分を配布。

第3弾 5月22日に専決処分

市長は当初、6月の第二回定例会への提案を予定していたようですが、5月19日の臨時会において議会から「迅速な対応」を求められたため、5月22日に補正予算(第3号)を専決処分しました。

財源は基金繰入金(財政調整基金)としていますが、国の地方創生臨時交付金の交付決定を受けた場合は、財源を振り替えることとなります。

中小規模事業者等支援給付金給付事業
総額1億8,326万3千円。新型コロナウイルス感染症の影響により、直近1か月の売上高等が前年同月に比して20%以上50%未満減少した中小規模事業者等に10万円を給付する(※)。

創業者応援持続化給付金給付事業
1,500万円。創業後間もなく、国の持続化給付金の対象外になる事業者に対し、30万円を給付する(※)。

住まいの困窮者緊急支援事業
311万6千円。新型コロナウイルス感染拡大の影響により住居を失った人に対し、一時的に宿泊場所を確保することにより、生活に困窮している方への緊急支援を行う(※)。

※ 5月25日の記者発表時点での内容です。詳細は今後発表されます。

その他の事業については、記者発表資料(jigyoulist.pdf)をご覧ください。

第4弾 6月定例会に上程予定(約3億円)

第4弾については第3弾を上回る総額約3億円と発表されていますが、現時点(5月26日)では内容は知らされていません。三本の柱のうちの2番目「子どもの学習支援」の中に「オンライン学習の環境整備(GIGAスクール構想関連事業)」とありますので、これに該当する事業が含まれるものと思います。

GIGAスクール構想については、ここでは国の資料だけを紹介し、内容はまた別の機会に説明したいと思います。

出典:令和2年度補正予算概要説明(文部科学省)

【総括】補正額の約9割が中小企業への支援

北本市の緊急支援策、第1弾は子育て支援、第2弾は学習支援でしたが、第3弾は約2億2千万円の補正額のうち、約9割が中小企業支援となっています。その理由については6月の定例会で説明されると思いますが、想像するに次のような理由によるものと思います。

  1. 先に発表した近隣市においても、中小事業者向けの給付金の割合が多い(鴻巣市:約3.9億円のうち約3億円、上尾市約4.2億円のうち3.2億円)。
  2. 個人向けは緊急小口資金(無利子貸付)で対応しているほか、住まいの支援については住居確保支援金の拡充(国)と今回の住まいの困窮者支援事業で対応する。

しかしながら、緊急事態措置により失業や休業を余儀なくされた人、休業したものの会社から休業手当をもらえていない人、給料が歩合制で収入が著しく減少している人など、生活に困窮している人が少なくないと思います。国から特別定額給付金が給付されるものの、10万円では一時しのぎにしかならないでしょう。生活困窮者への追加支援は、不可欠だと思います。

また、緊急事態措置期間にも営業することで市民生活を守っていただいた、高齢者・児童・障害者福祉施設の皆様にも、慰労金のような形で感謝の気持ちを伝えることも必要かと思います。

5月25日の安倍首相の記者会見では、臨時交付金を約2兆円(今回は1兆円)増額すると発表されました。市民の皆様の生活状況などを踏まえて適切な支援策を講じ、市民生活を徹底的に守るよう、引き続き市長に求めてまいります。