◆一般質問 生活困窮者自立支援制度について

令和4年9月定例会における私の一般質問の概要についてお知らせします。

件名2 生活困窮者自立支援制度について
(1)任意事業の実施について

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(1)任意事業の実施について

Q.本市では今年度、重層的支援体制の整備に着手し、共生福祉課に総合相談窓口を設置した。重層的支援体制の包括的相談支援事業では、世代や属性を超えた複合的な困難を相談することができ、複合的な困難は多機関協働事業につながれるが、個別具体的な支援は、介護、障がい、子ども、生活困窮などの既存の制度も活用し、支援機関が連携して支援していくことになる。中でも、生活困窮者自立支援制度は、自立支援相談事業、住居確保給付金といった必須事業のほかに、就労準備支援事業、一時生活支援事業、家計改善支援事業、子どもの学習・生活支援事業といった任意事業、「アウトリーチ等の充実」などの支援メニューが用意されており、地域共生社会の実現に向けた支援の中核を成すものだが、本市が実施しているのは必須事業と子どもの学習支援事業だけ。重層的支援体制を構築したところで支援するためのツールが揃っていない。これらの任意事業を実施していない理由について伺う。

A.本市では自立相談支援事業の中で必要に応じて就労準備支援や家計改善支援の内容も実施してきた。具体的には、専門の相談支援員が相談内容を踏まえて相談者の収支状況を見える化するシートを使用するなどして家計改善を図ったり、すぐに就労に結びつかない相談者には段階に応じてボランティアの担い手から始めるといった支援を実践してきた。生活困窮者自立支援制度の開始以降、職員体制や財政的な課題、また事業の受託先がないなどの理由により、本市ではできることから任意事業を実施してきたところである。

Q.会派・市民の力では座間市を視察して任意事業の有効性を確認してきた(視察報告・断らない相談支援)。座間市でも特に家計改善支援は重要という認識だった。また就労準備も相談からの出口を作る意味でとても重要になる。各任意事業の必要性と今後の実施に向けた方針を伺う。

A.就労準備支援は、一般就労に従事する準備として生活リズムを整える、他者と適切なコミュニケーションを図るといった日常生活・社会生活の自立に関する支援を通じ、一般就労に向けた技法や知識の習得を促すもので、潜在的にもニーズが高い。一時生活支援は住居のない生活困窮者等に一時的な宿泊場所等を提供するものだが、すでに住居を失っている場合は生活保護を利用するケースが多い。一時生活支援のうち地域居住支援は全国的に実施している自治体も少なく、福祉部だけでは対応が困難で、時間を要する取組と感じている。家計改善支援は、家計の状況を適切に把握し、家計の改善意欲を高める事業で、収支を見える化することで自立につながる可能性のある世帯も少なくないことから、現在よりも踏み込んだ専門的な支援体制の構築が必要と考えている。これら任意事業は有用と考えており、来年度以降の実施に向け努力する。

Q.アウトリーチに関してはひきこもりの方への支援など精神保健福祉士のような専門職の配置が必要。アウトリーチの実施についてはどのように考えているか。

A.生活困窮者の中には気力の減退や自己肯定感の低下、孤立による感情の遮断、行政への抵抗感等により自ら相談窓口に行けない人も少なくない。相談を待っているだけでなく、積極的に地域を訪問し、支援が必要な世帯の情報を把握し、必要な支援につなぐアウトリーチの仕組みの強化は今後必要。来年度以降の実施に向け努力する。

議場で配布した参考資料