2023年5月2日付け毎日新聞朝刊の記事(「国史跡」今年度中に)について 各議員は市長見直し案への賛否を明らかに!

2023年5月2日付け毎日新聞朝刊に『「国史跡」今年度中に 縄文集落跡 再選の三宮・北本市長』という見出しの記事がありました。この記事について少し解説を加えます。

「国史跡」今年度中に 縄文集落跡 再選の三宮・北本市長 /埼玉 | 毎日新聞 (mainichi.jp)
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毎日新聞の記事の内容

記事中には「三宮氏はデーノタメ遺跡の史跡化を公約に、2019年に初当選。同遺跡が区画整理事業の計画地に当たっていることから、都市計画道路を迂回させ、事業地から外す構想を立てた。これに対し市議会サイドが反発し足踏み状態が続く。23年4月の市長選では、反市長派の市議らが結集する形で対立候補が立ち「開発優先」を訴える中、三宮氏が選挙戦を制した。」とあります。

都市計画道路の迂回について

久保特定土地区画整理事業の見直し(デーノタメ遺跡の保存活用、都市計画道路・西仲通線の迂回)については、令和3年9月に市長が見直しを発表し、広報きたもとでもお知らせしています。

この見直し案は、単にデーノタメ遺跡を残す(開発しない)というだけでなく、事業期間の短縮、事業費の縮減、地権者の負担軽減につながるものとして、市長が決定したものです。「三宮市長が遺跡を残したいから道を曲げようとしている」「趣味のまちづくりだ」と批判する人は、市長の見直し案を正しく理解できていないのではないかと思います。

広報きたもと 2021年11月号

広報きたもと 2022年12月号

市議会サイドの反発について

これは、令和4年度一般会計当初予算において、都市計画道路見直し検討業務の予算が減額修正されたことを指します。

議会だより120号(令和4年5月1日発行)

この予算修正案の賛否は次のとおりで、1票差で修正案が可決されました(修正案に賛成=都市計画道路を曲げることに反対)。決して議会全体が市長の見直し案に反対しているわけではありません。

賛成10:啓和会6人(岡村、松島、渡邉、滝瀬、加藤、黒澤)、みらい1人(諏訪)、公明党3人(保角、島野、岸)

反対9:みらい3人(日高、高橋、大嶋)、緑風会3人(村田、金森、今関)、市民の力1人(桜井)、日本共産党2人(湯沢、中村)

※工藤議長は議長のため採決には加わらず。

毎日新聞の記事中にある「反市長派の市議ら」は賛成の10人。擁立された「対立候補」が諏訪善一良議員ですが、市長選挙の結果はご存知のとおり、現職・三宮市長の圧勝となりました。

令和5年4月23日の選挙では20人の議員中7人が引退し、1人が市長選に立候補(落選)しました。残っている議員で見ると、賛成4(岡村、滝瀬、保角、島野)、反対7(大嶋、村田、金森、今関、桜井、湯沢、中村)となりますが、旧啓和会(現彩桜きたもと)と公明党全員が市長の見直し案に反対すれば、10人となります。

一方、議長だった工藤議員、新人で一人会派の毛呂議員については、市長の見直し案への賛否が不明です。市長の見直し案に賛成する議員が改選前よりも減少する可能性があります。市長選・市議選を経たにも関わらず、今後提案されるであろう市長の見直し案に基づく予算案が再び反対される可能性がかなり残っています。

上の画像は予算案に対する討論の要旨ですが、公明党の討論を読むと都市計画道路の迂回ではなくデーノタメ遺跡を保存活用することに対する批判に読めます。しかし、当時予算提案されていたのはあくまで都市計画道路の調査費であり、デーノタメ遺跡を遺跡公園として整備する予算ではありません(市長の見直し案ではデーノタメ遺跡の保存活用に合わせガイダンス施設を整備し、維持管理費が毎年2千万円掛かることになっていますが、私もこの部分に関しては否定的な立場です)。

啓和会の討論に至っては、道は真っすぐであるべきというだけで、地権者の負担など全く無視しているかのようです。この道路が計画された当時は西仲通線が高崎線西側の主要な幹線道路となる予定でしたが、現状ではさらに西側に「上尾道路」が整備されることもあり、西仲通線の重要度は低下しています。さらに、南大通線(郵便局通り)以北は住宅が密集しており、西仲通線の全線開通は極めて困難な状況です。具体的な代替案を示し、市長の見直し案と比べどのような優位性があるのか説明すべきです。

三宮市長は、令和4年度当初予算案が修正された後、地権者にアンケートを実施したり、広報きたもとで再度自らの案を説明するなど、市民や地権者に理解を得る努力を続けてきました。私も市長の見直し案を支持する立場として、ホームページで解説したり、自らの発行する通信(22号)や会派の機関紙(37号)で説明するなどしてきました。デーノタメ遺跡の範囲に居住する方にも直接ご意見を聴いてきました。

久保区画整理事業の見直しとデーノタメ遺跡の共存【詳細】 | 桜井すぐる official site (sakuraisuguru.jp)

では、市長の見直し案に反対する議員たちは、この間何をしてきたでしょうか?

引き続き市長の見直し案に反対するのであれば、自らの考えを明確にし、市民や地権者の理解を得る努力をするべきです。新人や元職の議員も、自らの考えを明らかにせず、所属する会派の意向に従うようなことがあってはなりません。

市長の見直し案を批判する立場の代表として市長選に出馬した諏訪善一良候補は大差で落選しました。選挙の結果には重みがあります。久保特定土地区画整理事業をこれ以上遅らせるわけにはいきません。市長選の結果を踏まえ、各議員がどのような行動を取り、自らの考えを明らかにするのか。市民のみなさんにもぜひ、注目していただきたいと思います。