北本駅東第1自転車駐車場の存廃問題

北本駅東第1自転車駐車場(令和5年7月7日撮影)

令和8年3月末までは存続

北本駅東第1自転車駐車場(以下「東第1駐輪場」という)は、駅周辺の放置自転車問題の解決を図るため、平成2年に建設されました。当初は北本3丁目にありましたが、平成13年に北本1丁目の現在地に移設されました。

東第1駐輪場は、市が所有する土地に公益財団法人自転車駐車場整備センター(以下「センター」という)が建設(市が負担金を拠出)し、運営を行っています(運営に関して市からの負担金は無し)。

北本市自転車問題審議会の資料から

事業の実施に当たり市とセンターとで協定を締結しています。協定期間は10年が基本です。平成25年の期間満了に当たり、西第1駐輪場は廃止、東第1駐輪場と西第2駐輪場は協定期間を延長し、令和5年3月末が期限となっていました。

令和5年3月末で期間が満了することから、令和4年11月21日に北本市自転車問題審議会が開催され、協定期間の更新とその期間について協議することとなりました。事務局からは、これまでどおり10年の期間で更新する案と、協定期間を短縮する案が示され、審議会で協議した結果、3年の期間で更新することとなりました。

審議会での議論の中身

令和4年11月21日に開催された北本市自転車問題審議会には、利用者、民間の駐輪場事業者双方が参加し、意見を交わしました。

事業者からは、市内には駐輪場が多く利用者が減少して困っている。市の駐輪場が存続することは、民間事業者の衰退につながる、廃止すべきという意見があった一方で、利用者からは、収容能力だけでなく選択肢が多い方がよい、せっかくあるものをなくすのは理由付けがない限り難しいと、存続を希望する意見がありました。

また、運営するセンターからは、10年程度の期間がないと機械化するなど新たな設備投資が難しいという意見があったようです。

最終的には、3年間延長してその間に利用者や事業者にアンケートを行い、その結果を踏まえて今後について検討することになりました。

自転車問題審議会の資料や会議記録は、市のホームページから見ることができますので、ご覧ください。
https://www.city.kitamoto.lg.jp/soshiki/shiminkeizai/kurashi/kaigi/1416894062974.html

駐輪場の利用の現状(データ)

令和4年8月時点の東第1駐輪場の利用率は、1階定期が88%(133/151)2階定期が53%(115/218)、合計67%(248/369)。利用率は、平成4年度は57%、平成24年度は84%。令和元年度以降は、75.4%、65.4%、59.8%、62.8%と推移しています。

北本駅東口周辺の民間駐輪場の利用率は、収容台数約2,450台に対し使用台数は約1,520台で、利用率は62.0%。市の駐輪場と同程度の利用率となっています。空き台数は約930台であり、東第1駐輪場の定数369台を大きく上回っています(東第1駐輪場が廃止されても十分な収容力はあります)。

これらのデータは、自転車問題審議会の資料に掲載されています。

アンケート結果

令和5年6月に市が利用者アンケートを実施しました。6月15日の東第1駐輪場の利用者にアンケートを配布しました。配布数204枚に対し、回答数は77枚(回収率37.7%)でした。

今後も存続を希望する人は、77人中74人。この駐輪場を利用している理由は①自宅と駅の延長線上にあり駅から近いから67人、②屋内だから55人、③管理人がいるから44人などが多くなっています。

自転車駐車場に関するアンケートの集計結果について
https://www.city.kitamoto.lg.jp/soshiki/shiminkeizai/kurashi/gyomu/g7/15350.html

今後について(私見)

令和5年7月現在、駐輪場経営者に対するアンケートも実施しているとのことです。利用者や事業者へのアンケートの結果を踏まえ、現在の協定期間が終了する前に、東第1駐輪場の存廃を決めることになります。

今回のアンケートでは、利用者のほとんどが存続を希望していますが、もう少し丁寧な聴き取りが必要だと感じています。防犯カメラの設置、廃止時の民間駐輪場の斡旋、跡地に商業施設を誘致するなど、条件次第で廃止を認める人もいるかもしれません。

また、以前はお店をやっていた場所が駐輪場に転換するなどして、駅周辺が駐輪場だらけになっているという声もあります。こうした現状が、果たして駅周辺の活性化につながっているのかという観点からも検討が必要です。駐輪場からの業態転換を促す施策も必要だと思います。

利用者や事業者に対するアンケートの結果だけを見るのではなく、安心して暮らし続けられるまちにするためにどうしたらよいかという観点も含め、幅広く議論をして方向性を決めるべきではないかと思います。