埼玉中部環境保全組合ホームページ(新たなごみ処理施設等建設検討委員会)
https://www.tyuubu-kankyo.jp/new-construct/consider.html
日時:令和5年7月6日(木)14:00から
場所:埼玉中部環境センター4階大会議室
傍聴:会場の関係で会議室での傍聴はできません。(埼玉中部環境センター1階ロビーで視聴可。定員20人)
主な議題:
1.諮問
2.委員会の協議事項及びスケジュールについて
3.施設整備の基本理念及び基本方針について
会議資料
主な論点
スケジュールの中で『エネルギー利用』に関しては、第4回及び第7回で検討することになっています。エネルギー利用とは、ごみを焼却する際に発生する熱をどう活用するかで、発電をして場内で活用して残りは売却したり、お湯を沸かして場内の温浴施設や周辺の施設で活用したりというのが一般的です。
鴻巣行田北本環境資源組合(旧組合)で新施設の整備を検討していた時には、建設予定地の地元から、温浴施設や温水プールを作ってほしいという要望がありました。基本計画が策定された後、平成30年2月に余熱利用施設の整備方針の策定について管理者から諮問され、7~8回の委員会を実施して、平成31年9月に答申する予定になっていました。しかし結局方針はまとまらず、旧組合による新施設整備自体が白紙解消となってしまいました。吉見町を含む9市町村で新施設整備の検討を行っていた埼玉中部資源循環組合でも、付帯施設の運営費負担で意見が対立し、破綻に至りました。簡単にまとまるものではありません。
旧組合においては余熱利用施設の検討だけで約2年、7~8回の議論を行うこととなっていたものが、埼玉中部環境保全組合ではわずか2回、それも基本計画策定の議論の中で決定しようというのは、あまりにも乱暴ではないです。すでに執行部の中では着地点が決まっており、それに向かってお墨付きをもらうだけの検討委員会にしようとしているのではないかと疑っています。
施設整備の基本理念として「循環型社会」や「脱炭素社会」を目指すとはどういうことでしょうか?
新ごみ処理施設単体として循環型や脱炭素を目指すとなれば、かなりハードルが高くなります。例えば佐賀市では焼却施設から排出されるCO2を回収し、近隣の農業施設で利用しています。
分別収集は構成市町ごとに行っており、2市1町で一緒に処理するのは可燃ごみと粗大ごみです。循環型社会を目指すための取組は組合だけ、新施設の整備の中だけでは不可能です。脱炭素社会に関してはなおさらで、北本市でいえば市の施策全体+森林が豊富な自治体と協力するなどしてカーボンニュートラルを目指すというのが原則でしょう。
一方、循環型や脱炭素は2市1町のごみ処理全体の方針ということになれば、施設単体としては「市民町民に親しまれる施設」という理念しか残らなくなります。住民に親しまれることを目的に、施設に機能を盛り込めば、過大な施設整備となる恐れがあります。
きわめて曖昧かつ雰囲気で作った基本理念のように感じましたが、今後の議論の中で修正することもあると委員長が見解を示したことにより(基本理念なのに途中で変えていいの?)、第1回検討委員会での議論はそこで終わりました。
この中で気になったのは「方針3 災害に対して強く、地域の拠点となる施設」です。「地域の拠点」とは、避難所としての機能や災害廃棄物処理を念頭に置いた記述とのことでしたが、大規模な水害が発生した場合には周辺道路を含め浸水する可能性が高く「拠点」には相応しくありません。そもそも「拠点」の定義も定かではありません。まさかここに災害対策本部を置くわけにはいかないでしょう。
先ほどの基本理念と同様、ていねいに推敲されていれば、このような表現はしないと思います。仕事が雑だなぁという印象で、先が思いやられます。