群馬県桐生市で、生活保護世帯に対し保護費を満額支給せず、不適切な支給を繰り返していたことが分かりました。その後の調べで、桐生市では2011年度には1,163人いた受給者が、2022年度には547人と半減していることが分かりました。これは全国的な傾向から見て異常な状況と言えます。
埼玉県の市町村において、同じような状況が生じていないか確認するため、埼玉県市町村における保護率の推移を調べてみました。63市町村を一度に観るのは大変なので、地区ごとに観てみます。
なお、各市町村の保護率は、埼玉県が提供している『統計からみた埼玉県市町村のすがた』の数値を使っています。また、令和3,4年度は、前記資料が公開されていないため、同じく埼玉県が提供している『(資料)埼玉県の生活保護』の各年11月末の速報値を参考値として使っています。下の地図は、2020(令和2)年度の保護率を色分けしたものです。
『統計からみた埼玉県市町村のすがた』
https://www.pref.saitama.lg.jp/kense/toke/toke-shichoson/index.html
『(資料)埼玉県の生活保護』
令和3年11月
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/90266/2-11_sichosonbetuhogoritunojoukyo112021.pdf
令和4年11月
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/20638/r4sityousonbetuhogoritunojyoukyou0411.pdf
南部地区
南部では蕨市、川口市が高水準で推移しています。さいたま市は減少傾向にあるものの、依然として県全体を上回っています。上尾市は大きく上昇傾向。鴻巣市、伊奈町は低水準で推移しています。
東部地区
東部地区では三郷市の保護率が高く、増加傾向にあります。春日部市は継続的に増加傾向にあります。一方で八潮市と幸手市は大きく減少の傾向にあります。何が起こっているのか調査が必要だと思います。白岡市は全県的に見てもかなり低く推移しています。
西部地区(北)
西部地区は市町村数が多いので北と南に分けました。
毛呂山町が高い水準で推移していますが、他の市町村は県全体を下回っています。東松山市が増加傾向にある一方で、坂戸市は大きく減少傾向にあり、調査が必要だと思います。
西部地区(南)
新座市は高水準ですが減少傾向、三芳町と狭山市も減少傾向を示しています。特に狭山市は、元々あまり多くなかったところからさらに減少傾向を示しており、特異な動きを示しています。
北部・秩父地区
北部・秩父地域では寄居町のみが県全体を上回り、しかも増加傾向にあります。本庄市は2015年までに大きく減少しましたが、その後は横ばいです。その他に大きく減少傾向を示している市町はありません。